J1寸評 第2節:ドームで大敗

札幌2-5F東京 in 札幌ドーム

5月に厚別で鹿島に勝って以来調子のあがらないコンサドーレは2nd開幕戦を落とし、連敗を避けるべくホーム札幌ドームにFC東京を迎えた。新設された札幌ドームでの2試合目となったこの日の試合。最初の試合で横浜M相手に引き分けているだけに、是非とも初勝利を見たくてドームに駆けつけたサポは3万3千人。2nd開幕直前にけがでリタイア、前節開幕戦を欠場したキャプテン野々村はこの日も欠場。加えて前の試合後名塚がリタイアし、前節赤紙退場した森下は出場停止。前節欠場したウイルが戻ってきれくれたのが唯一の好材料となったこの試合。新人今野をDFラインの要、リベロの位置に起用した布陣で試合に臨むことになった。
試合は開始早々4分、山瀬がペナルティエリアで倒されPKを獲得。これを復帰したばかりのウイルが決めて、コンサ先制。流れが戻ってきたかに思えたが、この後これでもかというぐらいコンサに不幸がふりかかる。まず、前半10分に左サイドからのアーリークロスを森がクリアし損ねてゴールに押し流しこんでしまいオウンゴールを献上。さらに27分、右サイドからのセンタリングを和波がクリアし損ねて胸でゴールに押し込んでしまい連続のオウンゴールで逆転され。さらにさらに前半終了間際には、微妙な判定ながら大森がハンドをとられPKまで献上。前半はコンサドーレの選手しか活躍していないのに、なぜかスコアは1-3。
気を取りなおした後半2分、開始早々にウイルのFKがきまり1点差に追いつくも、その後、アマラオ、三浦文にゴールを決められ、結局2-5で敗れた。5失点は1stの清水戦以来の大失点。守備陣形が全く機能せず、F東京にいいようにやられたのが敗因。怪我した選手が戻ってこないようだと、今後のコンサドーレは厳しい。
さて、こんだけ大敗すると書くことがいっぱいでてきて、何から書いていいのか困ってしまうのですが、ドームとコンサドーレの相性について雑感を。ドームで勝てないんで、厚別神話みたいなものがあるだけにドームのせいで負けた様な話もちらほらでていますが、たぶん違うと思います。1stの最終順位が8位なので、連敗した2ndに入ってとりわけ調子の悪くなったように見えていますが、それもたぶん違うと思います。コンサドーレは厚別開幕戦のあった鹿島戦と負けた磐田戦の頃をピークにチーム力が下降しだして、1stの終盤からコンサドーレはすでに息切れ状態、最後の一息がでず試合に勝ちきれなくなってきています。ホームの試合を見てみると厚別の鹿島戦後一度も勝てていません。強いといわれる厚別でも2分1敗で白星なし、続くドームで1分1敗。結局アウェイ福岡で1勝したのみで、今節の試合も含めて8試合で1勝したのみです。こう考えると、ドームだから負けていると理由づけるよりは、チーム力が落ちてきたか、他のチームの力が上がってきていて、コンサドーレが勝てなくなってきたためと考える方がリーズナブル。
また守備陣が“一瞬の隙をつかれた”とかではなくて“崩壊”して負けるときはこんなもの。とりわけコンサドーレの場合、DFだけの一本のラインで守っているわけではなくて、リベロのいるフラットスリーを形成する3人のDFと、その前の2人のボランチが形成する台形の5人が相互にからみあって守っているため、これが機能せずバラバラになってしまっては、いくら堅守だといわれても絵に描いた餅のようなもの。実際の試合を見てないんで、戦術面のコメントは的はずれになるやもしれないんで、これぐらいにして、やはり真ん中の二人が同時に抜ける様な状態は非常に苦しいのがコンサ。“崩壊”した理由はわかっていても、けがによる離脱となるとどうしようもないからたちが悪い。
さて、今節他会場の結果はというと、はっきりいってリーグ全体が荒れてきています。まず日程の関係でこの2節から登場した静岡の2チーム、候補磐田と清水がG大阪と鹿島に負けて共に黒星スタート。磐田は今季初めての黒星。また2nd対抗馬の筆頭、市原が広島に0-2で完敗。年間順位ブービーの東京Vと横浜Mが浦和と柏にそれぞれ勝って、いよいよ名門の逆襲が始まるかといった気配。横浜は補強した新外国人が機能して息を吹き返した感じなのに対し、V東京はこの日の勝利がきっかけになるかといったところ。最下位のC大阪は、この日も福岡に0-4で負けて上昇気配全くなし、福岡に7試合ぶりの勝ち星をプレゼント。神戸が名古屋に勝って2連勝、同じく2連勝した広島と並んで2nd1位2位の位置にいる。年間順位で下位に沈む2チームが、ワンツーを決めているところが、2ndステージ荒れそうな気配を十分感じさせています。三位に鹿島で、シーズン最後につじつまをあわせてくる伝統は健在のよう。コンサドーレは、2連敗で2nd15位まで落ちた。年間順位も12位まで落ちたけれど、当初の目的は10位。ということは、シーズン中は5位くらいから15位あたりを上がったり下がったりするもんじゃないかと思うんですが、いかがなもんでしょうか。
そして次節、下り調子の札幌はアウェイ横浜国際に乗り込んで最近上り調子の横浜Mと。新外国人が当たりだと言う話も聞く横浜に分がありそうな次の試合。でも、こういった上り調子のチームに勝ったりすると、これをきっかけにこちらのチーム状態が上向いてきたりするから、シーズンを戦うリーグ戦はおもしろい。面子もそろわず、相変わらず厳しい札幌だけれども、足りないんだったら、12番目の選手だけでなく13番目でも14番目でも15番目でも16番目でも・・・・足りない選手の分は全部補うぞ、といった気概のあるコンササポでありたい。