J2寸評 第11節:第一クール終了  

 第11節の大宮戦で、リーグ戦の第一クールが終わる。浦和戦が流れたとはいえ、一応全チームとの対戦が終わる。三位、四位対決となったこの試合、大分が休みのため勝った方が二位。しかも首位浦和が前日の試合で初敗戦を喫っしたため、勝ち点の差を縮めるチャンスでもある。お互い大事な試合となった。
 怪我のビジュ選手に替わり名塚選手がボランチの位置に今季初先発。試合はホーム大宮が優勢に試合をすすめるも、先制点をあげたのは札幌。ここ二戦連発の、好調エメルソン選手が前半34分に押し込んだ。先制して試合の主導権を握った札幌は、前にでてくる大宮に対し引き気味に試合を進め、効果的なカウンターをねらう。後半は、大宮が攻勢をかけたにもかかわらず、シュート数一本に抑え、逆に終了間際、エメルソン選手のカウンターが炸裂、二点目をゲットして試合を決めた。エメルソン選手は、3試合連続2ゴールづつ計6得点の荒稼ぎで、J2得点王を爆走中(二位は大分のウイル選手8点)。9試合で12点だからすごい。
 札幌は、勝ち点を21にのばし、23の浦和の背後につけた。今年は開幕ダッシュに成功したといって良く、昨年の同時期に比べると雲泥の差だ。岡田監督のシーズン前の目標は七割で、昇格も七割とれれば大丈夫と読んでいた。一試合まだ終わってないが、一巡目全試合勝ってれば、勝ち点は30点。21点はちょうど七割だ。しかも昇格条件の二位の座にいる。読み通りといったところか。しかし、絶好調に近い今のコンサドーレの成績で七割しかとれていないと見ると、七割のなんと難しいことか。今後、今のペースを維持して七割。調子が落ちれば、当然七割以下になり昇格ラインの下に落ちる。やはりJ2は長い。
 今節の注目は、首位浦和に初めて土が付いたこと。J2一番槍をあげたのは山形。ホームでの試合で90分間、耐えに耐え、終了間際カウンターを決め、虎の子の一点を守りきった。山形は第一クール3勝のうち、浦和札幌から2勝と大物食いの伝統はしっかり今年も健在。5位の湘南は新潟に延長負けし、二連敗。勝ち点で並んでいた水戸が引き分けで勝ち点をのばしたため、6位に転落。昇格組の水戸は大健闘している。次節の、この水戸と浦和の試合は注目。
 次節から二巡目にはいる。各チーム対戦が一巡し、それぞれのチームで今季の自チームと他チームの力加減がわかったはず。一巡目で負けたチームの二巡目の試合でのモチベーションは当然高いであろうし、戦い方も徹底してくることが予想される。今後の対戦は、一巡目の結果を参考に、相手の長所をつぶしあう戦いになり、いよいよチームの総合力が問われるステージへと移る。当然、好調だったチームに対しては、マークは厳しくなるし、まず一の手をつぶしにかかる。そんなとき、二の手、三の手があるかないかで今後の展開が変わる。エメルソン選手はすごいが、びっくり箱が通用するのは一巡目まで(でも、もう一巡くらいは通用しそうな気が^^)。他の選手の活躍なしに、彼の活躍もない。二巡目の戦い方にコンサドーレのチーム力が問われる。
 札幌は、次節、開幕戦で戦った鳥栖と、ホーム厚別で二戦目を戦う。開幕戦大勝した札幌だが、鳥栖はその後持ち直しており、水戸、湘南らと中位グループを形成している。いずれにしても果敢にカウンターを仕掛けてくるチームで、こういったタイプは上位チームにとっては嫌な相手。それでも、二巡目も好調を維持するためにも、しっかりたたいておきたいところ。