J2寸評 第10節:厚別開幕戦!入りも入ったり19450人

 前節、9節水戸戦の寸評はお休みしたが、コンサドーレは山形戦の敗戦をひきずることなく、難敵を下して連敗だけは阻止した。そして今節、10節目にしてようやくコンサドーレが札幌に戻ってきた。札幌開幕戦、ゴールデンウイーク、相手は湘南、いろんな要素がかみ合い、この日の厚別、入りも入ったり19450人。コンサホームの入場者数ランキングでは、98年の磐田、横浜M戦に続く三番目の入りとなった。この節の浦和-大分戦(駒場)の頂上決戦の入場者数もかわし、J1を含めても清水(日本平)の入りに次ぐ、二番目の入場者数となった。
 前売りの段階で、SS、S指定席が売り切れていたが、この日発売されたA、B自由席の当日券も12:30開門の所、12:40には売り切れる始末。当日券が無かった磐田戦、当日券が売り切れた横浜M戦とほぼ同じ。約500人が門の前で涙をのんだと聞く。
 試合の方は、湘南相手でも、速さでは一日の長があるエメルソン選手が前半23分、先制点を決めた。前節水戸戦でJ2得点王の座を奪い返したエメルソン選手が二戦連続ゴール。後半途中に、ビジュ選手が相手ラフプレーで負傷退場(結局、頬骨骨折)。それでも、そのまま逃げ切ると思われたが、後半終了間際、湘南・酒井選手に同点ゴールを決められ、延長へ。スタジアムの大観衆の前で負けられない札幌は延長前半7分、後半途中から交代し、公式戦初出場のルーキー山瀬選手がヘッドで押し込み、Vゴールを決めた。札幌は、眼下の敵を2-1で下し勝ち点を2のばした。
 今節の注目は、浦和-大分の首位決戦。浦和がしぶとく勝利を収め、8連勝。一歩抜け出た。4位大宮は甲府を下し、勝ち点で札幌をかわし、3位浮上。札幌は4位に落ちた。湘南は、この日勝った水戸に勝ち点で並ばれたが、得失点差で順位変わらず5位。
 次節の大宮戦は、第一クール最終戦。浦和との試合が流れてはいるが、これで全チームとの対戦が終わる。次節は大分の試合が無いので、勝った方が二位浮上。札幌が勝って、試合数の少ないチームが一位、二位に、という順位表の方がおもしろいと思うが、いかがだろうか。
 大宮は昨年後半からチームの戦術が熟成し、良いチームに仕上がった。今年は、補強選手との統合もかみ合い、良い調子できている。上位陣を見てみると、攻撃陣を主体に戦う浦和、大分、撃ち合いの湘南、がっちり守ってカウンターにかける水戸と比べると、比較的安定している守備を土台に、試合を守備的に進めこつこつを勝ちを拾っているのが大宮と札幌で、タイプはにている。札幌はエメルソン選手の活躍が際だっているのと、下位チームとの対戦で快勝してたりするので、今年のチームは攻撃的な印象があるが、がつがつ攻撃しているわけではない。一人の足の速いストライカーに得点が偏っているのが、カウンター気味に試合をしているのを物語っている。
 どちらにしても、浦和に離されないためには、重要な一戦となった。大宮が攻撃に比重を置いて、常に前がかりに来るわけでないので、結構苦しい我慢の試合になるかも。中盤の争い、それも中盤の底の争いが鍵か。そう考えると、大宮が相手だけに、ビジュ選手の欠場は痛い。