札幌ドームコンペ最優秀作品発表

 2002W杯札幌会場とコンサドーレのホームスタジアムになる、札幌ドームのコンペが行われていたが、この日最優秀作品が発表された。参加9グループの中から選ばれたのは、「原広司グループ」の作品。卵形の屋根をしたドームと、その横に芝のスタンドをもつ屋外スタジアムがあるデュアルアリーナ構造となっている。多目的施設として建設される同ドームは、天然芝と人工芝を入れ換える世界初のスタジアムになる予定だが、注目されたその入れ換え方式は、水平移動方式を採用している。横80m、縦120m、厚さ1.5mあるでっかいグラウンド(プレート)が水平移動する方式のため、巻き取り式やタイル方式にくらべると、違和感や継ぎ目に足をとられたりすることはない。この重さ8000トンにもなる大きなグランドが、ホバークラフトのように空気の力で5cm浮上し、移動する。芝養生をかねた屋外では、周りを芝のスタンドで囲み、屋外スタジアムとして利用できるようにしたところが優れている。
 設計した同グループのコメントによると自然と都市がであう場所をイメージしたとのこと。そのため、周囲の風景に非常にマッチしたデザインとなっている。また、発表されたデザイン画では、この他に二面の練習用サッカー場も載っていた。
 総工費360億円が予定されているすばらしいスタジアムであるが、問題がないわけではない。冬期雪の降る時期における天然芝の利用を考えなくとも良いとの札幌市側の条件だったため、このドームにおいても、雪のある時期の使用や芝養生などは考慮されていない。すなわち、現在のままでは、12~3月はサッカー場としては使えないのである。今後、Jリーグはサッカー先進国と同様に、秋開幕になるとのうわさも有り、そうなると、開幕戦や最終戦は行うことはできても、シーズン中盤になる冬期間コンサドーレはこのスタジアムをホームとして使えないことになる。この問題は、今後解決していくとのことだが、コンサファンとしては、先行きが注目されるところである。

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