J1寸評 第10節:コンサが頂点に一番近づいた日

磐田2-1札幌(延長Vゴール) in 磐田スタ

トップをひた走る磐田特急。前節清水に止められて連敗できない磐田に対し、札幌はウイルが怪我で出場せず。未だ静岡のJリーグチームに勝ち星のない札幌。当然のごとく苦戦が予想された。
現J1で実力ナンバー1である磐田に礼をはらい、チャレンジャーとしてぶつかった札幌は播戸のワントップ、予想通りの守ってカウンター狙い。中盤に豊富なタレントを要する磐田に中盤を支配されるもしぶとく守る札幌は、磐田DFの田中が二枚目のイエローで退場した直後の後半18分に左サイドに先発で入った和波が、右サイドの田渕からのセンタリングにピンポイントで合わせて見事なヘッドを決め、先制。試合は札幌のプラン通りに進む。そして後半ロスタイム、最後のプレーというところで、磐田MF服部から前線に送られたボールをFW高原がもみ合いながらも押し込んで同点ゴールを決められてしまった。このまま延長戦へ。試合終了間際に守備的な選手交代を行っていた札幌に押し返す勢いはなく、大岩にVゴールを決められ、大金星を逃してしまった。
記憶をさかのぼってみると、トップリーグの試合で、首位を走っているチームを、これだけ追いつめた事はない(コンサドーレがトップリーグで戦ったのは今年と98年の2シーズンだけですが)。そのような対戦カードでは、いつも実力通り、内容も順当負けしていた。そういった札幌が、あと数秒のところまで磐田を追いつめたのは、札幌の勢いを感じると共に、磐田の底力を感じた試合でもあった。この壁がなかなか越えられないんだろうけれども、コンサドーレがトップチームに一番近づいた日だったのかもしれない。
今節の順位は札幌は5位。他会場の結果は、2、3位の直接対決になるはずだった名古屋-清水戦が、清水のアジアカップ戦出場のため延期となって、未開催。代わって、好調市原が連勝で3位に上がってきた。磐田優勢で節が進む首位争いに対し、“そんなチームが”というほどの名門チームが争っている最下位争いの方は、最下位東京Vが5連敗。ブービーの横浜Mは勝利あげて順位を上げたのに対し、これに負けたC大阪が代わってブービーに。次節この15、16位チームが対戦。
J1リーグは、この10節を持って約1ヶ月の中断となる。その間、日本代表が出場するコンフェデレーションカップが日韓両国で開催されるが、各クラブにとっては、この中断期間の過ごし方が、その後のシーズンの展開に影響を与えるだけに中断明けの試合が注目となった。次節、コンサドーレは厚別に名古屋を迎えての試合。