J1寸評 第4節:Jリーグ前線北海道上陸、北海道開幕戦は今季初完封

札幌2-0東京V in 室蘭

 さて四節目にしていよいよコンサドーレが北海道に帰ってくる。その待ちに待った北海道開幕戦は、室蘭で快晴の中9,289人の観衆を集め、スタジアムを満杯にして行われた。
 リーグ戦が始まってしばらくしてから行われる室蘭での開幕戦は、その年のコンサドーレの活躍を占う試合となっている。これまでの室蘭開幕戦での戦績は4勝1敗。この試合自体の成績は良いのだが、重要なのはそれまでの戦績で、この開幕戦を勝ち越しの成績で迎えた年はコンサドーレが活躍している。5年の歴史の中で、昇格を決めた97年と2000年の二回だけである。99年は一勝一敗で迎えたが、唯一の開幕戦負けを記録し昇格を逃した。勝利の女神様が決めたルールによると、好成績を収めるためには、勝ち越して開幕戦を迎えさらに開幕戦で勝利を収める必要があるということのようだ。
 前節広島戦に今季初完封負け、水曜から開幕したナビスコカップでは、鬼門の大分市営陸で大分に完封負け。実質公式戦二連敗。ナビスコではさらにアウミールが靱帯損傷をくらい、ビジュが一発レッドで2試合出場停止のおまけ付き。このためこの二人は今節欠場。代わってボランチにリーグ戦初先発となる新人の今野、左サイドに和波の新布陣。今日の注目である。一方の東京Vと言えば、未だ布陣が決まらずこの日も新しい布陣で室蘭に登場した。
 さてゲームの方だが、新メンバーが早速活躍を見せる。前半12分、ピッチ中央でインターセプトを見せた今野からダイレクトに最前線ウイルに長いスルーパスが通る。これをウイル左に流れながらもゴールにたたき込み先制。単独得点王に立つ四点目をゲット。続く前半19分、左サイドを大森とのパス交換で抜け出た韋駄天和波がゴール前ニアサイドに走り込む播戸に早いセンタリング。これを相手DFより先に触り東京Vゴールに蹴りこんだ。開幕戦に続く両FWアベックゴールで、前半20分にして早くも2点先制のコンサペース。攻撃陣が仕事をした後は、DF陣が攻勢にでる東京Vを抑え、こちらも今季初無失点試合の仕事をきっちりこなす。
 今季はコンサドーレが守備のチームであることは異論のないところだが、ここまで三試合で三失点。昨年は1-0で勝てたコンサだが、今年は2-1でないと勝てないような雰囲気である。さすがJ1といってしまえばそれまでだが、FWが早く得点が欲しいように、守備陣は無失点試合が早く欲しかったのではないかと思う。圧倒的な攻撃力を誇るJ1各チームに対し完封試合は確かに難しいが、やはり自信にはなる。磐田みたいなチームとやるときに、キックオフ直後に何かの拍子に先制して残り80分近くサンドバックのように叩かれるだけの様な状況にもしもなったとしたら、そんなときの心のよりどころは、今日のような無失点試合を達成したという小さな自信の積み重ねである。
 いつも試合終了間際に点を取られ、“良いところまで行くけれど、最後はなんでか決められちゃうんだよなあ”と思って試合をするのと、“試合終了間際まで、集中していけば何とかなる”と思って試合をするのでは、モチベーションが全く違う。根性論になるけれど、技量が上の相手に対するにはスピリットではせめて勝たねば話にならない。でも、そんな技量が上の相手がコンサと同じくらいのスピリットも見せたとしたら、そん時は手を挙げて降参しよう(力の差があるということだ)。でも、強い相手が100%フルパワーを見せる時は、少なくともコンサドーレが先に120%くらいの力を見せている時である。コンサドーレが80%くらいの力で戦ったとしたら、強い相手は50%くらいの力でコンサをひねることだろう。
 毎試合120%の試合を見せるということは選手の負担は半端じゃない。そんな戦い方をして、長いシーズン最後まで持つか心配ではあるが、そのために20人を超える選手がコンサにいる。控えはいつまでも控えではなく、サブはいつまでもサブなわけではない。レギュラーメンバーに比べれば、チャンスは少ないかもしれないが、その少ないチャンスを生かし、常にレギュラーをねらう姿勢が大切である。
 さて今節他会場の結果は、首位磐田が鹿島との直接対決に勝利をおさめ4連勝。今の磐田に付け入る隙を見つけるのは不可能なほど強い。一方、鹿島はここ三戦勝ち星無し。柏は広島を下し連勝、G大阪はC大阪とのダービーに勝利を収めた。清水は神戸を、名古屋はFC東京を下し、高い位置をキープ。札幌だけでなく、浦和もじわりじわりと順位を上げてきて昇格組が順調だ。市原は延長ながら初勝利。一方、全く調子のでない横浜は浦和に負けて最下位転落。勝ち星がないだけに事態は深刻なようだ。同じ状況が札幌だったら、“やっぱり”で片づけられるのだろうが、日本代表を抱えるチームだけにそうもいかないらしい。ゴーンさんも怒っているみたいだし。不振といえば、両東京チーム、今季東京スタジアムが完成し意気上がる両チームだが、揃って下位に沈んでいる。
 コンサドーレは次節はアウェイで神戸と。