J1寸評 第2節:開幕二連勝

札幌2-1柏 in 高知春野

 開幕戦で早くも白星を挙げたコンサドーレは、二戦目にして早くも三強の一角柏を高知春野に迎えての一戦となった。Jリーグ初開催となった高知は残念ながらこの日雨。それでも6,276人の観衆が訪れた。
 札幌の先発はトップ下が、大黒から山瀬に代わった他は開幕戦C大阪戦と同じ。試合の方は、実力差がつきやすい雨天となった心配をよそに先制点がコンサに入る。右サイドをするすると抜けた山瀬から柏DFの頭をふわりと越える絶妙のセンタリングがゴール正面に走り込むウイルにビタリとあう。前半25分1-0。勢いに乗るコンサドーレは前半33分、センターサークル付近からでた長いスルーパスに播戸が反応。柏DFにつぶされながらもしぶとくキープし、右後ろに駆け上がってきたウイルへ横パス。これをウイルがゴールにしっかりたたき込んで2-0。
 予想外の展開に焦ったのか、柏は後半から中盤省略のパワープレイにでる。雨天であっても丁寧にこられた方が実はいやだったりしたかもしれない札幌にとっては、ラッキーだったかも。結局試合終了間際、ゴール前の混戦から黄に1点返されたものの、そのまま2-1で勝利。昨季年間勝ち点1位の柏から貴重な勝ち点3を得た。そして、順位も二位にあげた。
 二節を終了して開幕二連勝、期待以上のできだが、ここまで札幌のFW陣が好調だ。開幕戦はウイル、播戸のアベックゴール。この日はウイル2ゴールに播戸1アシスト。開幕前ウイルがしょげていると言った話もちらほらでていただけに、ただ今3点で得点王、この活躍で従来のウイルを取り戻してくれるだろう。
 FWの選手にとって、とりわけ新しくチームに来たFWにとって、初得点をいつ記録するかは非常に大事だ。FWの場合、4、5試合得点から見放されることは決して珍しいことではない。当然、開幕からず~っと無得点といった事態もあり得るわけだ。とりわけ新メンバーの場合、昨季までを知らないことが多いから、早く1点を記録することは、チームメイトからだけでなくサポーターからの信頼を得る上でも非常に重要である。当人にとっても精神的なプレッシャーがスランプに繋がると悪循環にはまりかねない。とにかくどんな形であれ、記録に1点を記すことが大切なのだが、開幕二戦で早くも3点。ウイルはあっさり第一段階をクリア、コンササポの心をしっかりつかんでしまった。
 新メンバーのFWが早い段階で点を取ることが大事だという話をするのなら、どこぞの新聞でも紹介されていたみたいだが、キングオブ東京といわれるアマラオの話を紹介しておかねばなるまい。長くFC東京の中心選手として活躍するアマラオはチームのエースなだけではなく精神的な柱でもある。自分のことだけでなく、チームのことチームメイトのことにも気を配るすばらしい選手としても知られている。そのアマラオが今季開幕戦の東京ヴェルディ戦でPKを得た。PKはアマラオが蹴ることになっていたらしいが「決める自信がない」といって今季移籍してきたロペスにゆずった。このPKを決めたロペスはそのあと、延長Vゴールも決めることになるのだが、はたして本当にアマラオは決める自信がなかったのだろうか。余人には彼の心を知る術はない。参考までにアマラオは昨季の開幕戦でもPKを得ていて、その時も移籍組のツゥットにゆずっている。その前年川崎Fではあまり活躍できなかったツゥットだが、この後J1台風の目になる東京の活躍を引っ張ることになるのはみんなが知っている通りだ。
 さて今節他会場の結果は、三強では、柏の他に鹿島が東京Vに敗退、でも磐田はしっかり勝ちをキープ。昨季1stステージ活躍組のC大阪と横浜FMは未だ勝ち星無し。予想外組としては、札幌と共に開幕戦勝利を収めて注目された神戸も二連勝と好調をキープ。序盤だが、なんか混戦を予感させる第2節の結果ではある。でもtotoの一等賞金が高くなかったことを見ると、それほど波乱の節といったわけでもなかったよう。
 次節札幌は、三連勝をかけてアウェイで広島と対戦する。