[第2節]in高知春野:柏レイソル戦

文/コンサゴール販売促進部長・中村智嗣、写真/大熊洋一

今思えば本当は春野へ行く予定では無かった。

しかしサポーター仲間から「HGだよ!わかってるね?」と煽られて結局行く事になってしまった。前節、昨年同様の競り勝ちで勝利を収めたものの次はあのブリーフ隊。ベストの状態であればかなり苦しい戦いが待っているのは誰の目にも明らかであった。その後事態は急変しケガ人が出たりとコンサにとって有利な条件が次々と出てくるものだ。しかし、試合当日の天候は前日まで祈っても「雨・雨・雨」。これはかなり苦しい試合になるかもと思いつつ、大分から入荷した「サッポロウヰール」がどの程度動けるのか気に掛かる。

いよいよ試合当日、札幌は快晴なのに向こうは雨のようだ。これでは「マイのぼり」もフル登場は無理かなと思ってしまう。のぼりはマイのぼりの4本、サポ仲間から預かったのが2本の計6本ある。マイのぼりの4本のうち1本は綿生地でできているので雨天時に揚げれば水を吸って重くなりメンテナンスも面倒になる。しかし、雨が上がれば全部揚げるつもりなのでポールを6本持っていった。今回のルートで気になる事が2つあった。第1に羽田での待ち時間は85分あること。第2に高知空港から春野まで1時間近く掛かると言う事。もし飛行機の到着が遅れたらKOに間に合わなくなる。そう思いながら飛行機の乗っていたのだが・・・・・。

羽田で早くもトラブル発生!

乗客の中に乗り遅れた輩がいたようで人数確認などで時間を食い結局高知空港には25分遅れで到着。ツアーで来ていたので貸切バスで春野へ向かったが手前2Kで渋滞。時間は経過するが、バスは一向に進まない。車内では先着しているサポーターに携帯で連絡するものが多数いた。皆一様に「間にあいそうに無い・・・・」と口々に話す。そんな重苦しい雰囲気の中で春野へ到着。すぐに競技場へ向かったがメインの方から歩いて行った瞬間、選手入場のあの曲が流れてきた。そう、厚別で聞きなれたあの曲だ。そうなれば歩いてなんかいられない。ダッシュだ~~~!!!

まずは全体を見たいのでバックスタンドへ。あまり客は入っていないようだが「九州・四国サポーターズ」の方々が尽力してくれたからこそこんなに観客がいるのだと感謝せずにはいられない。チラシをまいてくれたり本当に考えうる限りの事をしてくれていた。本当に感謝ですm(_ _)m この事は決して忘れないようにしたい。

のぼりの設営は見ため以上に時間を要する作業である。通路の隙間から試合を見ながらのぼりを作る。見た感じほぼ互角のようだ。水が浮いてすぐにボールが止まる状況下であるがしっかりやっているようだ。試合が動いたのは最後にウィルののぼりを作り終えた瞬間の開始25分。トップ下に起用されたMF山瀬がFWウィルにループ状のピンポイントパスを供給。これをウィルが落ち着いて流し込んでまず先制GOAL!。当然札幌サイドは大騒ぎそして大歓声。

柏サイドは沈黙して固まっているように見えた。「まさか先制されるとは・・・・・」。そんな気持ちだろう。更に追い討ちをかけるように33分、FW播戸が左サイドをドリブルで上がり柏DFに強烈なプレスをかけられながらもボールをキープしてウィルへラストパス。フリーで走り込み弾丸シュートも見舞い、2-0。柏GKの南も呆然と腰に手を当てて「何故だ?」そんな表情に見えた。前半はこのあといつも通りの堅実な守りで終了。スコアボードには試合前には想像もしないスコアが表示されていた。札幌2-0柏。

嬉しいと同時になんか信じられないような気分だった。

本当はすぐにでものぼりをスタンドに出したかったがこちらは必要以上に目立っては行けないと思い、前半を終えるまで通路に隠していた。そして、ハーフタイムの間隙をぬってのぼりを設営完了。コンサポの表情は満足感にあふれていた。そして気持ちは「ウィルのハットが見たい」とか「播戸のゴールも見たい」等などあるだろうが皆、「コンサドーレの勝利が見たい」。この一心で全てのサポーターは一つになり「12番目の選手」として選手をサポートしているのではないだろうか。

後半は一進一退の状態で時間が過ぎ、ロスタイムで失点したがこれもご愛嬌。2-1で柏を撃破して開幕を連勝スタートした。キャンプの時から懸念があったセットプレーからの失点だったので今後への課題として残ったと思う。まあ、なにはともあれ勝ったので嬉しい事この上ない!(^0^) 春野の空に勝利の歌が高らかにこだました。

山が近いのでとても耳にそして心にも響いた。

今日の主役はもちろんウィルだがDF陣もよくがんばったと思う。ロスタイムでの失点だがDF森が執拗なマークで相手のチャンスを止め試合開始直後から続いたピンチも集中力を切らさずに競り勝った。

顔見知りのサポーターも大勢来ていたので一人一人と今日の試合を振り返りながら固い握手を交わした。皆、口々に「次も勝とう!」と言葉を交わし柏餅の食べた話などをしていた。そうなのだ。私もそうだが柏餅を事前に買いこんで皆ここへ来ていたのだ。前節では桜餅を持っていき勝利したので今回も・・・と言うわけ。文字通り「敵を食らおう」という趣向だ。そうなれば次は「もみじ饅頭」?

試合を終えてツアー参加者の私は市内のホテルで行われる「炎会」に参加した。皆誇らしげな表情で参加していた。このイベントも九州・四国サポーターズの皆さんが用意してくれた。料理の中にはさすがに旬の「カツオのたたき」が用意されたがあっという間に無くなってしまった。他の料理も同様だった。サッポロビールがクラシックを用意してくれていたのでいつも通りの祝杯をあげることができた。色々なイベントを経て3時間ほどで終了。皆ほろ酔い気分で帰途に着いた。

おしまい。


高知までやってきたドーレくんとコンサドールズ。 じつに立派なオーロラビジョン。厚別にもほしい!。
雨の中、2階席から声援を送るコンサドーレサポーター。 柏サポーターはなぜか1階で応援。
ヒーローインタビューを受けるウィル。