ゴール裏に花咲く赤と黒のナンバー12

『2000年J2リーグ第25節コンサドーレ札幌vs浦和レッズ』が7/29にコンサドーレのホームスタジアムである厚別公園競技場で開催された。首位決戦となったこの試合、史上初めて浦和をホームに迎えることもあり、前売りチケットが完売。当日は19450人の観衆が押し掛け、コンサドーレのホームゲーム最多動員記録を更新した。
そしてこの日、試合開始前のゴール裏に、赤と黒の背景に彩られたサポーターナンバーである12の大人文字が登場した。

このナンバー12の人文字、この日に備えて、ゴール裏のサポーター集団ウルトラサッポロが中心になって準備を進めてきたもの。ウルトラサッポロは昨年ポンチョを使ったハート形の人文字を企画実施したが、そのノウハウを元に、負けられない試合でサポーターの心意気を示す大人文字を再び作った。当日いきなり登場した方がインパクトが高いということで、企画は秘密裏に進められた。メンバーは、事前のホームゲームの際にゴール裏の座席の数を数え、座席の位置と配置を確認し、それを元に赤と黒と白の配置を決定。前回のハート形の人文字の時は、石屋製菓が応援用に制作していた赤黒のポンチョを供給してもらったが、今回は在庫がもうないとのことで、画用紙を使用。
この画用紙、固めの二つ切りくらいの大きなもの。それに人文字の説明や、ウルトラサッポロからのメッセージなどが印刷されていた。これをゴール裏のスタンドの収容人数4600人分を用意。制作費に一枚約50円かかったそうなので、総額約20万円の企画。そのため試合当日はカンパもおこなれていた。
当日は、ゴール裏スタンドで、メンバーが中心になって、簡単な説明をしながら画用紙を配布。隙間なく完全な人文字が出来るよう、空席を作らないようお願いしながら、全席分を配布した。人文字を掲げるタイミングは、選手が入場してきて一番最初の選手の足がピッチに入った瞬間。練習なし、ゴール裏全員が参加しての一回こっきりのパフォーマンス。

キックオフは14時ちょっと過ぎ。ドールズのパフォーマンスが終わり、ボールボーイが紹介され、各スタッフ持ち場に散った後、いよいよBGMにのって選手登場。選手達が陸上のトラックに横切るころ、バックスタンドを、フルサイズのビッグフラッグがするすると駆け上がりはじめる。そんな中、それまで静かにしていた浦和レッズサポ席から『うら~わレッズ』の大エールが、先制パンチのようにスタジアムに響いた(浦和のゴール裏は、選手入場の直前頃から、応援に集中するように不動の姿勢でシーンとなって、一気にはじけるのがいつものスタイル)。その、浦和の応援にどう応戦するのか、札幌ゴール裏に注目が集まったその瞬間、約5千人による赤と黒の人文字が一気に花開いた。そして大歓声に包まれるスタジアム。

とにかく、この時の感動は、言葉で表せないくらいすごかったのです。写真で人文字をいくら写してみても(トリミングやレイアウトにいくら工夫しても)、残念ながら当日のスケールの大きさは表現し切れません。それぐらいすごかったのです。


人文字登場の瞬間

収容人数一杯の満員で埋まったホーム側ゴール裏スタンド。選手がピッチに足を踏み入れた瞬間、大きな人文字が花開いた。誰一人遅れることもなく、一瞬にして登場した赤と黒の人文字。人文字はこの後、5分ほど咲いたあと、コンサドーレスピリットを我々の脳裏にしっかり焼き付け、その使命を静かに終えました。


当日の厚別スタジアム(QuickTimeVRムービー;1.0MB)

この日の厚別競技場のスタジアムの全景をQuickTimeVRムービーにまとめました(視斜角左右に約180度)。
試合開始前、ドールズのダンスが始まる前です。そのため、ピッチには選手はいませんし、人文字もビッグフラッグも写っていません。それでも、試合開始30分前ぐらいなのに、びっちり埋まったスタンドの様子がわかります。メインスタンドアウェイよりから、ぐるっと撮影したものです。

QuickTimeVRムービー

※注:このファイルは、QuickTimeVR形式です。ご覧になるためには、ブラウザにQuickTimeプラグインがインストールされている必要があります。合成時に補正し切れていない部分もあり、少しずれている部分もあります。
中身は、でっかいパノラマ写真みたいなものなので、それほど無理してみるものではありませんが、回線に余裕のある方は、落としてみて、ぐりぐり転がして楽しんでみてください。センタラインのあたりに立つドーレくん、真っ赤なサポーターで埋まった両ゴール裏、アウェイ側メインスタンドとゴール裏スタンドにこの日特別作られた大きな雪像など、みることが出来ます。

【ナンバー12人文字関連リンク】

  • 第25節浦和戦ナンバー12人文字壁紙
    • 第25節浦和戦で行われたナンバー12人文字が壁紙になりました。昨年のハート形の人文字壁紙と同じく、制作笹田さん、写真は橋本さんです。
  • ウルトラスサッポロホームページ
    • 今回の人文字を企画実施した応援グループのHPです。

(おまけ)札幌浦和戦スナップ

「入場門前の長い行列」


これは第1ゲートの様子ですが、ホーム側の入り口である第4ゲートは開門前2キロくらいの行列が出来ていたとか。

「雪だるま」


この日、大きな試合ということで、特別に雪だるまが作られました。雪は東区に保管されていた今年の冬の天然雪。

「きな臭いゴール裏」


浦和ゴール裏では、試合前に発煙筒がたかれました。

「ルーキーデビュー」


ドールズのメンバーはアメリカ遠征に出かけていて大半がこの日は不在。そのため、残留組と、ドールズユース選抜組がこの日のダンスを担当。

「ヒーローインタビュー」


ヒーローインタビューを受ける田渕選手。

「勝利の舞」


試合終了後、ホーム側ゴール裏スタンド前で踊るドールズの勝利の舞。連勝の数だけ、足を上げるラインダンスは16回。