HFCの98年度収支決算発表、債務超過に

 この日、HFCの株主総会が市内で開かれ、98年12月期決算が報告されたが、三年連続で赤字の続くHFCは、ついに債務超過に陥った。12月期決算で経常損失5億4千万円、当期損失9億7千万円を計上したHFCは、累積損失が27億4千万円となり、資本金(22億1千万円)を5億3千万円も上回り、債務超過となった。HFCは当初、98年は約2億円の赤字がでる事業計画を立てていたが、広告料収入が予定より3億円も少なく、さらに、特別損失として4億円を計上。大きく赤字が膨らんだ。
 昨年発表された中長期事業計画では、単年度収支では、98年期には2億円、99年期には1億円の赤字を見込んでいたものの、2000年にはゼロにし、2001年からを黒字に転換し累積赤字を減らしていく予定であった。この計画が大きく狂ったことになる。実際、今回の株主総会で発表された99年の事業計画では、営業収入が10億5千万円、これに対し、支出は14億6千万円となっている。不足の4億円は北海道後援会に依存するというもの。昨年の後援会の寄付実績は、1千万円のため、かなり集まったとしても、2~3億円の赤字を見込んでいることになる。J昇格が決まったとしに、市民も市民持株会が1億円集めた事があるとはいえ、後援会だけで4億円集めるのは、はっきり言ってかなり厳しい。
 株主総会後、記者会見に望んだ田中良明HFC社長は、“HFCの経営状態はかなり厳しく、ぎりぎりのところである。とにかく背水の陣の覚悟でやっていく”とコメント。また、98年を振り返って、“昨年、入れ換え戦で負けたとき、責任を取ってやめようと思った。ただ、単純に責任を取ってやめるより、歯を食いしばってでもJ1に昇格させることの方が、正しい責任の取り方だと思った。”“また、経営面でも業績が上がらず、反省すべき点が多かった。大きな赤字となり、身の丈にあった経営を行いJ2に定着する方法もあるが、この一年はあくまでJ1昇格を狙う。身の丈にあった経営はJ1に上がってから。”と、記者団の質問に答えた。いずれにしても、現在までのクラブの成績と共に、経営面でもかなり厳しい一年になる。