コンサドーレ戦術解析8(後半戦に向けて)

最後の章では、後半戦のことについて、語ってみたいと思います。

<JFL後半戦でのルール変更>

ちょっとその前に、お知らせがあります。JFLは後半戦から新しいルールが適用されます(厳密にはオールスターゲームからですが)。新ルールは、以下の通り。

  1. スローインによるバックパスを、GKは直接手で触ってプレーできない。(違反した時は間接FK)
  2. GKは、ボールを持ったまま、四歩以上歩いてはならない。(違反した時は間接FK)
  3. GKが、6秒以上ボールを持ってはならない。(違反した時は間接FK)
  4. GKは、PKの際、蹴る前にゴールライン上を動いても良い。
  5. ゴールキックを直接得点にできる。

シーズン途中でルールが変更になるのも変な話ですが、決まったことなので仕方ありません。今年初めのFIFAの決定を受けているようです。各リーグへの導入は、各国サッカー協会などに任されていますが、日本では、この時期に導入するようにしたようです。Jリーグも、2ndステージから新ルールが導入されました。見てもらえばわかりますが、GKに厳しくなっています。ボールの動きを速くして、よりゲームをスピーディーにしようという意図のようです。
このルール変更で、直接影響を受けるのが、GKのディド。でも、ディド選手が言うには、”ルール変更はシーズン前からわかっていた。だから、前半戦から同じ様なつもりでプレーした。”とのことなので、大丈夫でしょう。

<JFL後半戦でのコンサ>

さて、コンサドーレは、後半戦どうなるのでしょうか。”よほどのことがない限りコンサドーレのJ昇格は堅い”、とマスコミは言います。はたしてそうでしょうか。よほどのこととは何でしょうか。

まず、今年の昇格ラインを予想してみましょう。例年昇格ラインは5敗から6敗です。今年も、昇格ラインは5~6敗あたりと思われます。したがって、前半戦で既に5敗している5位の甲府以下のチームが、2位以内に入るのは難しいでしょう。結果、2位以内争いは、以下の四チームで争うことになります。いかに上位四チームの前半戦の勝敗結果を示しています。

順位 チーム名 試合
勝数
90分
勝数
延長
勝数
PK
敗数 勝点 得失
得失
点差
1 コンサドーレ札幌 15 13 1 0 1 41 41-8 33
2 川崎フロンターレ 15 10 2 0 3 34 38-13 25
3 本田技研浜松 15 10 0 1 4 31 26-18 8
4 東京ガス 15 9 1 1 4 30 32-16 16

数値的に見れば、コンサドーレはあと3敗しても、3位の本田技研に勝ち点差1をつけてまだ2位でいれます。最悪、上位陣との直接対決で3連敗しても、下位チームに取りこぼさなければJ昇格です。やっぱり、J昇格決定じゃん、と思ってしまいます。でも、下位チームすべてに取りこぼしなく勝てるなんてことが可能なんでしょうか。長いシーズンでは、必ず何回か、相手チームが絶好調で、味方チームの調子が絶不調(あるいは運に見放される)な試合があります。ですから、優勝するようなチームであっても、なんでといえるうようなチームに負けることがあります。そう考えるとコンサドーレの前半戦の1敗というのは、実力だけでなく、ラッキーな面も合ったと考える方がいいのかもしれません。

下に、前半戦の上位四チームの星取表をあげてみます。対戦チームは左から、前半戦終えての順位順に並んでいます。コンサドーレの星取表は、東京ガス戦で黒星がついているだけです。川崎戦が延長Vゴールで勝利した他は、全て90分勝ち。もちろん下位チームへの取りこぼしはありません。立派なものです。2位の川崎は16位の水戸に、3位の本田は14位の西濃に負けたのが目に付きます。東京ガスは四位ですが、負けたのは上位チームにだけと、どちらかというとコンサドーレタイプの星取りです。一方、川崎と本田は、甲府や鳥栖への敗戦は仕方ないとしても、水戸、西濃戦での敗戦は、完全な取りこぼしといえるでしょう(本田の鳥栖戦での黒星は取りこぼしの様な気もしますが)。

でも、シーズン通しての戦い方の典型的な例は、川崎や本田のような試合結果でしょう。上位陣とは星のつぶし合い、そして、何試合かは下位チームに取りこぼしをする。コンサドーレのように一つも取りこぼししない(しかも全て90分勝ち)なんてことは逆に珍しいことだと思います。東京ガスも負けたのは上位の方にいるチームにだけですが、こういう結果の場合は、まだ順位に対してあきらめがつくでしょう。


.












西


1 札幌 .
4-3

1-0

0-0

3-0

3-0

1-0

2-0

5-2

6-1

2-1

1-0

5-1

3-0

3-0

2-0
2 川崎
3-4
.
4-2

3-0

0-3

2-1

1-0

5-0

3-1

1-0

4-0

3-0

1-0

3-0

4-0

1-2
3 本田
0-1

2-4
.
3-2

2-1

3-0

1-0

0-3

1-0

3-0

2-1

1-1

2-0

1-2

2-1

3-2
4 東ガ
0-0

0-3

2-3
.
0-1

0-1

3-0

5-2

1-0

2-1

3-2

5-0

2-1

2-0

4-1

3-1

○:90分勝ち、□:延長勝ち、△:PK戦勝ち
●:90分負け、■:延長負け、▲:PK戦負け

この星取表、見れば見るほど、コンサドーレのJ昇格の可能性は高いように思われます。こんだけきれいに星を並べれば、後半戦の15試合で、4敗以上もすることなんてことがあるのか?、と思うのも無理はありません。でも、後半戦も前半戦のように勝てるのでしょうか。何か見落としていることはないでしょうか。サッカーでは、ホームアドバンテージという言葉があるのはご存じでしょう。コンサドーレが厚別で圧倒的な強さを持っているのもそれに含まれます。基本的にサッカーのクラブチームは、ホームでの試合に強いとされています。弱いチームでも、自分達を応援するサポーターの力を借りて、信じられないような力を出すことがあります。札幌の東ガス戦での黒星、川崎Fにしても負けた札幌戦、甲府戦、水戸戦はアウェイの試合なのです。この観点から、後半戦を見た場合、コンサドーレは、何と川崎からN関まで、上位七チームのうち、東京ガス戦以外全てアウェイの試合となっているのです。この事実は、後半戦の展開を占う上で、大きな要素となってきます。とにかく、アウェイの試合は何が起こるかわからないのです。コンサドーレは、前半戦取りこぼしをしませんでした。これは実力どうりという言い方もできますが、一方ではついてたと言えるわけで、その分、後半戦は何試合か下位チームに取りこぼしをするでしょう。

上位チームとの直接対決では、川崎Fとは等々力で、本田とは都田でコンサドーレは戦わなくてはなりません。各々20節と23節です。シーズンも終盤、もう負けられないと、選手もサポーターもぴりぴりした時期に、実力の拮抗しているチーム相手に、コンサドーレがアウェイで勝利できるさなんてことは、いくら楽天家の私でも、口には出せません。相手チームのサポーターも、きっと総動員して、応援で、コンサにプレッシャーをかけてくることでしょう。この二チームとの試合は、コンサには、負けでも好いですが、最悪、延長あるいはPK戦まで持ち込んで欲しいと思います。負けても、タダでは負けない、勝ち点3はやらないぞ、という結果でいいと思います。いいかえれば、この二戦、勝利するようなことがあれば、コンサドーレのJ昇格は、ほぼ確実になると言っていいでしょう。

他には、心配な要素はないのでしょうか。通常、長いシーズンを戦うのに、監督が一番困るのは、選手の怪我です。シーズンイン前の補強や、ポジション配置、練習などは、目的を持って行っているわけで、そこに余分や無駄はありません。そのため、シーズン中に予期せぬ怪我で、計算していた選手が怪我で長期離脱なんて事があると、監督のビジョンが変更をせまられます。コンサも、昨年、ペレイラが頬骨骨折で1ヵ月ほど戦線離脱してしまいました。その間、コンサドーレは苦しい戦いを余儀なくされました。今年も、シーズン始めの怪我で、新村、時岡、そして中休み中の手術で、村田が、戦線離脱です(新村の怪我は完治、時岡と村田はリハビリ中)。新村、時岡のいなかった前半戦は、幸い14勝1敗で越せました。新村は先発レベルでしたが、かわりに出場した吉原や山橋が充分活躍してくれました。そのため、怪我をなおった今も、新村は先発復帰できてません。時岡は、ナビ杯でも出場した期待のルーキーですが、まだまだ、マラドーナや後藤、鳥居塚には及びません。すなわち、2人の場合はかわりになる選手がいました。ところが左サイドを守る村田は代替選手がいません(いないという点では右の田渕もそうですが)。

村田選手は持病のスポーツヘルニアの治療のため、JFLの中休みに手術を行いました(この持病があったため、前半戦は昨年のような思い切った攻撃参加が見られなかったのです)。一応、一カ月くらいで、現場復帰できる予定ですが、後半戦開幕しばらくの試合には出場できないようです(具体的に何節の試合で復帰ということが不明、回復具合が悪ければ長引くことも)。ディフェンスができて攻撃もできるという選手で、村田、田渕と同程度の選手は、残念ながらコンサにはいません。現在、村田のポジションに入ることになっている黄川田は、FW出身のため攻撃力こそ村田をしのぐ力がるものの、DFとしての技術や経験が少なく、その部分でのあらが見え、コンサドーレのチームとしてのシステムにまだマッチしていません。また、右の浅沼はどちらかと言えば、運動量を生かした攻撃的MFで、現在のようなシステムで、そのまま当てはめるには何があります(村田がダメなとき、左右ともできる田渕を左に入れ、右の田渕のポジションに浅沼をいれるという考えがある)。黄川田のプレーは、甲府戦(第14節)で見ましたが、村田の代役としては、安定感がまだまだです。安定感がないということは、取りこぼしをするかもしれないということです。後半戦のコンサドーレは前半戦と同様の戦い方をすればよいわけですが、そうできないかもしれないというのが村田の長期離脱です。後半戦しばらくは、きつい戦いが続きそうです。個人的には、後半戦のコンサドーレの浮沈の鍵は、黄川田が握っていると思っています。

というわけで、前半戦より苦しい戦いを強いられる予想される後半戦は、ホームでの試合は全勝を目指し、上位陣直接対決のうち、アウェイになる川崎F、本田戦は黒星。そして、2位グループのうち、アウェイとなる甲府、山形、N関戦のいずれかで一敗。鳥栖以下の下位チームに一敗(これはシーズン通して如何ともしようがない不運な流れになってしまっての一敗(前半戦の川崎-水戸、本田-西濃の様な))。全部で4敗はするというのが予想です。この四敗は仕方がない四敗です。そんなに負けるわけないなんていう予想は、逆に、コンサドーレの力を過大評価し、サッカーというスポーツのもつ特徴を理解していないものだと言えます(前半戦の14勝だって楽して余裕で勝ち取ったわけではないのです)。これで、コンサドーレは全部で5敗。当然、他チームも15試合全部で白星を納めることができないと思われるので、2位以内確保して、J昇格。といったところでしょうか。6敗以上するようだと、それこそ、マスコミがよくいっている”よほどのこと”です。そのかわり、説明した四敗までは、計算の上なので、これらの敗戦には、必要以上に心配したり怒ったりして、もう応援しないなんて言い出さないでください。もちろん負けなかった時は、その勝利はすごい価値あるものなので、勝ってあたりまえじゃんという顔をしないで、思いっ切り喜んでコンサドーレの選手達を褒めていいと思います(本田や川崎に勝ったり、延長やPKまで持ち込んだり、2位グループの甲府、山形、N関に三立てをくらわしたり、下位チームに一敗もしなかったり)。

まあ、インチキ予想屋のいいかげんな推測なので、もちろんこの通りに行くとは限りません。番狂わせ、波乱、など、いろんな事が起きるでしょう。ライバル3チームが、以外にしぶとくシーズン終盤までもつれたり、逆にあっさり脱落していったり、どうなるかはわかりません。選手の皆さんには、全ての試合を勝つという気構えで戦って欲しいし、サポーターのみんなだって、同じ気持ちでしょう。私だって、こんな予想をしたからといって、負けていいと思っているわけではありません。J昇格レースというのは、各チームが、顔を水につけて息を止めて、我慢比べをしている状態です。苦しく、長く、重苦しい時間が過ぎていき、我慢しきれず顔をあげてしまったら、そのチームは昇格レースから脱落です。残り15試合、最後の最後まで集中力を切らさず、最後の最後まで(一分一秒まで)勝利に執着できるかが、シーズン終了した時に笑えるかどうかのさかいめだと思います。あの、厚別での川崎F戦、スタジアムで応援していたみんなには、この気持ち、切実にわかると思います。

<最後に>

今回、JFLの中休みに書いた4つの話は、シーズン前に書いた4話に比べ、いまいちまとまりのないものになってしまいました。自分に、あまり文章力がないとのと、頭の中に書きたいことが一杯ありすぎて、支離滅裂な文章になってしまっているような気がします。最後の章で、コンサも後半戦は苦しい戦いが続くということを書きましたが、ほんとは、連戦連勝してもらって、25節くらいには、優勝とJ昇格を決めて欲しいものだと、思っています(そうなったら、なんて幸せなんだ)。でも、その一方で、冷静な私が、そうは簡単には行かない、という分析をしてしまって、コンサドーレの後半戦をこんな風に予想してしまいました。

最後になりましたが、スポーツは何が起こるかわかりません。こんだけ、いい成績で前半戦を終えたコンサドーレ札幌だって、今JFLシーズンで2位以内に入れるかどうかなんて、誰にもわからないのです。後世に語り継がれるような、大どんでん返しが起きるかも知れません。昨年、とどめを刺されたのは、アウェイの鳥栖スタジアムや神戸ユニバでの敗戦だったことを忘れたわけではありません。そうならないよう、私達がコンサドーレのためにできることは厚別をコンササポーターで満杯にする(アウェイのスタジアムもコンササポーターで一杯にしたいですが)。これだけしかありません。(シーズン前の話でも、同じような締めの台詞だったな^^;)