2002年 WorldCup 開催国決定

 チューリッヒで開かれていた5/31のFIFA理事会によると、2002年 WorldCup 開催は日韓共催で行われることが決まった。政治的色合いの強い玉虫色の決定のような気がしないものでもないが、今回の決定が覆ることはないので、今後のことを考えることにする。今回の決定を受けて、気になるのは試合会場の振り分けだ。予定されている試合総数は64試合。FIFA理事の試案によると日韓に半分づつ32試合を割り振るということになっている。そうなると、現在開催地に立候補している日本の開催地15は多すぎ、おそらく半分位に絞り込まれることだろう(これは韓国の16都市も同様)。ここでコンサドーレに関係することと言えば、将来ホームスタジアムになることが決まっている札幌市のホワイトドーム(全天候型多目的施設)計画。現在の計画では、ワールドカップ開催を見越して4万3千人規模のドームを建築することになっている(FIFAの規則によると、会場は4万人以上の規模が必要)。開催が韓国になった場合、1万人ほど規模が縮小される予定になっていたが、今回のように開催都市になれるかどうか不透明な状況では、どうするか成り行きが注目されるところ。
 31日の共同開催決定をうけての、札幌市の桂市長の会見によると、ホワイトドーム計画は当初の計画どうり、4万3千人規模のものを建設するつもりであるとのこと。FIFAの予定では、今年12月頃までに大会の試案がワーキンググループにより提出されることになっている。開催都市決定はそれ以降になりそうだから、開催都市になれるかどうか不安を抱えたままの建設となる。札幌市としては現時点で規模縮小を決めると、開催都市決定の前に立候補を放棄する形になるが、先行きが不透明なまま建設を進めるのは不安が残るといったところか。国内立候補地どうしでの熾烈な開催地争いが予想される。
 共催決定を受けての日本協会副会長の見解は、15会場全てで開催できるようにしたい、というものである。しかしながら重要な事実は、開催スタジアムの決定権は日本側にはなく、最終的にはFIFAにあるということである。先のアメリカ大会の場合、候補都市23に対し開催地9となった。また、次回フランス大会の場合、フランスに決定した後に13の候補都市が最終的には10に絞られた。これらの決定は全てFIFAが、規模、設備、交通、選手や観客の快適性、その他もろもろの条件を細かく吟味して決定したものである。これらの決定におけるFIFAの権限は強く、原則的にこれらの決定に意義は立てられない。すなわち、開催都市決定においては、15立候補都市全てに都合の良い日本的な玉虫色の決定はありえない。
 いずれにしても今後の成り行きが注目されるが、是非とも、札幌ホワイトドームで日本代表になった吉原や吉成がプレーするのを見たいものである。