J1寸評 第6節:コンサ勝利未踏の地についに凱歌が上がる

札幌1-0G大阪 in 函館千代台

 試合日1週間前にして前売りチケットの売り切れたこの試合、公式戦2試合目になる函館千代台競技場には15000人の観衆が訪れ、まさに立錐の余地がないスタジアムでの試合となった。ゴールデンウイークは一週で3試合こなす重要な週。是非ともこの日の初戦で勝利おさめ、勢いで乗り切りたいところ。
 函館は道内ではコンサドーレが公式戦では未だ勝利を収めていない唯一の地ということになっている。といっても何試合も行って負け続けていると言うわけではなく、昨年1試合行って1敗しただけなので、そう騒ぐほどのことでもないのだが、この寸評のタイトルにも使っているので、人のことはいえない。この未踏の地に勝利の旗を突き立てることが出来るだろうか。他にも、ガンバに移籍した元コンサドーレの18番吉原選手の里帰りゴールなるか、その18番を継ぐ男山瀬選手のできはいかに、コンサドーレの11番の因縁をうち破った男播戸選手の恩返しゴールは、コンサ守備陣の三試合連続完封なるか、等々見所一杯の試合となった。
 当初、U-20南米遠征帰りの山瀬選手は起用しないはずだったが、左サイドに予定していた和波選手が発熱で欠場したため、急遽左サイドで先発。トップ下の伊藤選手と攻撃を組み立てる。一方対するガンバは吉原選手がFWで先発。中盤の底の要、稲本選手は日本代表のスペイン遠征帰りのためベンチスタートとなった。
 注目の試合は、いきなり動く。開始前半4分。左サイドから放り込んだボールをファーサイドに走り込んだ播戸選手が見事なボレーシュート。いきなりの恩返し弾でガンバベンチに挨拶。試合は先制点の勢いそのままに前半は全体に札幌が支配して終了。後半になるとFWを三枚にし、さらに稲本選手を投入し攻勢にでたガンバが完全に試合を支配する。後半だけで16本ものシュートをコンサゴールに浴びせた(札幌は後半4本)。3分に1本のシュートを浴びたが、これがコンサドーレのスタイルとばかりに守りきり、見事三試合連続の完封で今季四勝目をあげ、二位に浮上した。ガンバは連敗。
 函館の地に凱歌が上がり、コンサ勝利未踏の地というありがたくない汚名を返上した。ちなみにコンサドーレが公式戦を開催した他の道内の都市は、札幌、旭川、釧路、帯広、室蘭である。旭川、釧路、帯広はJFL時代に開催され、旭川と釧路では無敗である(1試合行って1勝しただけですけど)。
 今節他会場の注目の試合は首位対決となった磐田-名古屋戦。磐田が終盤三発をぶち込み、名古屋を撃沈した(ちなみに、前回の寸評の続きですが、この試合終了後ストイコビッチ選手がギブアップ宣言)。磐田は無傷の6連勝、ホント強すぎる。一方で最下位決戦となった横浜-広島戦では、横浜に初日が出た。広島を下し今期初白星、最下位脱出。替わりに広島が最下位に。名古屋と共に磐田を追撃するはずの清水がC大阪に敗れ、結果、清水・名古屋をかわし、札幌が二位に浮上。柏は神戸に、鹿島も浦和に勝利を収め、本来の候補達がじりじりと順位を上げてきた。
 6節終えてJ1リーグはほんとに混戦の模様を呈してきた。磐田を除く残り15チームがわずか勝ち点10の間に収まったいる。札幌が負けていれば9の間に収まっていた。岡田監督が心配しているとおり、実力のあるチームで開幕ダッシュに失敗しただけで下位に沈んでいるチームは今後チームを立て直し、順位を上げてくることが予想される。コンサも2位だ2位だと喜んでばかりいられない理由がここにあり、三節分で順位がどべちゃにもなりうる現状では、各チーム勝ち点を思うようにのばせず、下の方であんまり混戦になられるのも考えもんである。このまま1stステージは混戦が続くのか、そのうち序列化されるのか、ゴールデンウイークの残り二戦は注目である。
 次節札幌は、清水とアウェイ日本平で2位4位決戦となった。こんな順位での対戦になるとは思わなかったが、三年前のJリーグ開幕戦で食らった逆転負けの借りをしっかり返して欲しいところである。