J2寸評 第26節:ついに連勝止まる

 重要な後半戦開幕戦5試合。最後の試合はアウェイ大分との試合。この日まで、コンサドーレ札幌は16連勝。これは鹿島の持つJリーグ連勝記録とJリーグアウェイ連勝タイである。この日の試合には記録更新がかかっていたが、ここ二年勝ちをおさめていない相性の悪い大分での試合。現在3位の大分にしても、2位浦和の背中に手をかけるためにも札幌戦は負けられない試合。厳しい試合になることが予想された。
 平日ナイターで行われた試合、今週は1週間で3試合あるスケジュール的にはきつい時。この時期、九州では試合をやりたくないのがホンネ。この日の試合、大分のキープレイヤー、ウイル選手が出場停止。それでも新加入の吉田、アンドラジーニャの両FWが揃い踏み、彼らの動きに要注意。
 試合の方は、押されっぱなしだった前回のアウェイの対戦と異なり、この日はお互いがっぷり四つの展開。でも、激しく双方のゴール前をボールが入ったり来たりすると言うよりは、中盤でつぶし合っているような感じ。双方、バーやポストに当てたり惜しい場面を演出するが、ゴールを割るに至らず。試合は淡々とすすむ。
 双方決め手無く試合は速くも終盤、そして後半34分ついに均衡が崩れる。抜け出した大分アンドラジーニャ選手がGK佐藤選手と1対1になりシュート。GK佐藤選手これに反応してはじくも、フォローに入っていたDF森選手にあたり、大きく弾んだボールは見事なループを描いてゴール片隅に入ってしまった。記録上はオウンゴール。その後、コンサドーレは大分ゴールにせまるも、同点ゴールは決められず、そのまま試合終了。ついに連勝が止まった。
 まさに“ついに連勝が止まった。”といった表現がぴったりのここまでの快進撃だった。開幕連勝後、公式戦初開催となったホーム函館千代台で山形に完敗。そこから連勝が始まるわけだが、この1敗が、その後のコンサドーレの戦いにおいて、まず守備ありきを、全選手の頭に“再度”しっかりとたたき込むきっかけになった。函館での試合、当然勝ちに入ったのだが、格好良く勝つことにこだわりすぎた。結果、快勝をねらった試合は返り討ちにあってカウンターに沈んだ。泥臭くても、接戦でも、劣勢でも、僅差でも勝つ。試合終了の笛が鳴るまで、粘り強く戦い、全員が自分の仕事をきっちり行い、決してあきらめない。そんな基本を徹底させることにになった節目の試合。その後、コンサドーレの快進撃が始まる。
 結果がでたことで、自信をつけた選手達の戦い方もシーズン進むにつれて良くなってくる。最初の対戦で、かなり押し込まれていた浦和、大分などとの試合も回を重ねるごとに五分五分の試合展開をできるようになった。もともと、北海道に戻ってくる頃から初夏にかけてのこの時期は、コンサドーレの調子がいい。今年は、この時期に16連勝という結果を残し、大きなアドバンテージを得た。今後は、暑さや疲れから、ちらほらと負けが見られることと思うが、それはどのチームでも見られること。涼しくなる第4クールまでは、集中力を切らさずに、最後まで頑張れるか精神力の戦いになる。プチッと切れた方が負けである。
 今節他会場の試合は、浦和が新潟に勝ち連敗は避けた。前々回駒場でコンサに負けた後、連敗したのが不振の始まりだっただけに、この日の試合は注目されたが、きっちり勝ちをおさめた。今節試合のなかった5位仙台は万全の状態で、次節ホームで浦和を迎え撃つ。湘南は復活の兆しなし。そして20連敗の甲府は上昇の兆しなし。
 注目の後半戦開幕5戦を、3勝1敗1分で勝ち越したコンサドーレ。一度引き離した二位、三位のチームに差を縮めさせなかったこの5戦。直接対決が三試合もあっただけに、この結果は充分満足のいく結果であり、しかも大きい。コンサドーレは次節、ホームで山形と。いつか負ける時が来るとはいえ、連敗だけは絶対避けなくてはいけない。