北海道フットボールクラブ定時株主総会開催、累積赤字は29億円に

この日、HFCは札幌市内で定時株主総会を開いた。この定時株主総会は毎年年度末に開催されており、4回目になる。総会の席上、99年度の決算報告がなされたが、それによると99年度は2億1千万円の損失(うち経常損失は1億6千万円)を計上、これまでの赤字総額を示す累積損失は約29億6千万円となった。昨年秋に行われた臨時株主総会で予想された赤字額よりは少なく出来たが、四期連続で赤字を計上した。99年度の営業収入は10億5千万円で、これに後援会並びに札幌市からの補助金約2億円(各1億円)の営業外収入を加えたものが総収入約12億5千万。一方、総支出の方は約14億5千万(特別損失約5千万を含む)。[※注:千万円の桁の額がちょっと不明]

営業収入、総支出額などは、昨年同時期におこなわれた定時株主総会で示された事業計画の中のほぼ目標額どおりの決算額を達成。一昨年との比較でいえば、営業収入は約5千万円減ったが、これはJ2落ちによる入場券価格を下げたのが響いている。99年度の年間観客動員数は197,752人で、98年度の203,195人に比べてほとんど一緒だが、価格差の影響で入場料総収入は約1億円減少した。99年度事業計画で、大きな計算違いをしたのが後援会に頼った営業外収入4億円という目標額で、後援会収入は実際には1億円にとどまり(これでも98年度実績(1千万)からすれば大きく増えた)、札幌市からの補助金1億円があったものの、不足2億円がそのまま赤字になった格好となった。これは後援会システムが機能しなかったというよりも、充分機能したが(実際集金実績は10倍になっている)、年度始めの予想通り4億円という目標額が途方もなかったと判断した方が良さそうである。今後の後援会活動の目標は、毎年恒常的に収入額を維持できるかどうかだろう。

総会では、2000年度事業計画も発表された。99年度の経営実績を受けて、2000年度の事業計画では営業収入目標を10億5千万円に設定。これに道や札幌市からの補助金、後援会費など営業外収入3億円(おそらくそれぞれ1億円)を加え、総収入は13億5千万円あまりになるとみこんだ。これに対し、総支出は99年度からさらに約1億円絞って13億円。最終的に6千万円余りの経常利益を出したいとしている。昨年同時期に発表された事業計画に比べ、かなりリーズナブルになっている。
記者会見の席上、田中良明HFC社長は「2000年度は何としても単年度黒字を実現したい。累積赤字を解消する計画を立てたい」とコメントした。なんとかして単年度黒字を出さないことには、累積赤字削減のための事業計画が立てられないようで、中長期計画は発表されなかった。今年も厳しい一年になりそうである。

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