Jリーグで記念すべき初勝利

 この日、室蘭入江競技場で行われたガンバ大阪戦で、コンサドーレ札幌は記念すべきJリーグ初勝利をあげた。例年、昇格組は苦戦が続くとされているが、コンサも御多分にもれず、ここまで三連敗。それでも、コンサドーレの帰りを待っていたホームアイランドのサポーターはチームにやさしい。今日こそは勝利をあげてくれると信じてスタジアムには、8169人の観衆が駆けつけた。数だけ見ると少ないが、室蘭のキャパシティーは1万あまりであることを考えると、ほとんど満杯の状態。
 キックオフ前には、堀北海道知事の挨拶、コンサドールズのパフォーマンス、先の長野五輪金メダリストの里谷多英選手(札幌出身)の始球式が行われた。試合の方は、がっちり四つの五分五分の展開。両チーム決め手のないまま、時間だけが過ぎていく。後半に入って、圧倒的なサポーターの声援に後押しされたコンサドーレが攻勢に出る。そして後半23分、ついに均衡がくずれる。ゴール正面、ガンバ守備ラインのどまん中をバルデス、吉原の鮮やかなワンツーで、強引にこじ開け、最後はバルデスがDF三人に囲まれながらもシュート。飛びついたガンバGK岡中の手をはじき飛ばし、ゴール左隅につきささった。先制した後、必要以上に守備的になり、自ら崩壊していく悪いパターンもこの日は見られず、積極的に攻めた。そして試合はこのまま終了。スタジアムは、待望の初白星に大歓声に包まれた。
 これで、コンサドーレはJリーグでの、最初の一歩をようやく踏み出した。このまま、白星街道を突っ走って欲しいものである。