[第十節]in札幌:鳥栖フューチャーズ戦

 おもしろかったぁ~。とにかく、おもしろかった。すっげえ、おもしろかった。 えっ、何がだって、札幌厚別劇場のこけら落としに決まってるべや。
主演、コンサドーレ札幌。助演、鳥栖フューチャーズ。
開演:6月13日、午後6時から(コンサドーレ今季初のナイトゲーム)

 さて、平日6時開幕というわけで、仕事が終わってから駆けつけたもんで、案の上遅刻してしまった。着いた時には開始15分ほどたっていた。結構回りには、背広姿の人が多かったなあ。それと結構肌寒かったです。後で聞いたところによると、開始しばらくは鳥栖の攻撃が続いて、やっぱ鳥栖は強い今日はだめかもしれない、といった感じだったそうです。

 先発メンバーは以下のようになりました。 GK:白井
DF:富樫、ペレイラ、村田、後藤(静)
MF:朝倉、浅沼、後藤(義)、オテーロ
FW:加藤、金

 さて15分からの試合の様子は、攻めたり、守ったりといった感じですすみます。札幌は、加藤、金のツートップで突破をはかります。加藤のサイド攻撃は良かったです。これに対して、鳥栖はバルデス、ロペスでゴールをねらいます。この二人はすごかったですね。バルデスの黒豹のような動きに対し、左右のポジションチェンジを頻繁に繰り返す疲れ知らずのロペス。彼らの攻撃にははらはらされどうしでした。札幌のディフェンス陣は、体を張ってこれを防ぎます。ペレイラの安定した守備ぶりは相変わらずで、前半途中にペレイラが接触プレーでうずくまってしまった時にはもうあかんと思ってしまいまた。幸い大したことなくて良かったです。今日の富樫も良かったのですが、とにかく良かったのはキーパーの白井。何本かのシュートをファインセーブで防ぎます。応援団の白井コールも絶好調。
 そうこうしているうちに、前半43分、右サイドでちょこちょこしている中から、抜け出した加藤が金とワンツー、これで二人のバックスを抜きさって、キーパー松永と一対一。加藤のシュートは松永にはじかれますが、そのこぼれ玉がゴール正面へ、そこに走り込んできたのがオテーロ。ズドンとゴールど真ん中にシュートを決めます。やったぜオテーロ、先取点だ。このまま前半終了。

 ハーフタイムは、バックスタンドの観客と観客席全体を使って、ちょっとしたパフォーマンスがありました。赤と黒の帯状布(1m×10m)を何本も縦に並べて赤黒赤黒のカラーで、バックスタンドを埋めました。多分にメインスタンドの貴賓席にいる川淵チェアマンへのアピールの意味もあったような、パフォーマンスでした。実を言うと私は、そのバックスタンドで観戦したので、布の下で布を持つ役になってしまってどういうふうだったかは見ることができなかったのですが。
 観衆の入りは前半の間中、遅れてきた人達が続々入ってきて結構な入りになりました。鳥栖ゴール裏と、バックスタンド両脇(S席あたり)はあまり埋まりませんでしたが。結局7000人強と半分も入ってなかったのですが、メインスタンドが埋まってた所為とどうしても贔屓目に見てしまう所為で、半分以上は埋まっているように見えました。

 さて後半です。後半も押したり引いたりの展開が続きます。とにかく、はらはらどきどきの試合が続きます。後半途中から、加藤に変って吉原、後藤(静)に変って新明がはいります。あと少しで今季初の完封勝ちだと思った後半43分、ペナルティエリア左側すぐ外でフリーキックを取られます。やばいなあと思ったその瞬間、ゴール前に上がったボールにバルデスが頭で合わせます。ここから、今日の厚別劇場の最終幕が開きます。とうとうやられたといった雰囲気が劇場全体に広がります。それでも、札幌は果敢に攻めます。ところが、センターライン付近から、札幌ゴールに向けてハイパントのように蹴られたボールが何回かバウンドするところに、殺到した両チームの選手達、混戦気味に強引にゴールを決められてしまいます。鳥栖の選手は大騒ぎです。その瞬間、時間を示すボードは45分を過ぎて、00を示していました。このまま負けるのかといった雰囲気が劇場を覆います。ところが、まだまだ最終章は続きます。全員攻撃を掛ける札幌がプレー再開後、鳥栖ペナルティエリアすぐ外で、フリーキックをもらいます。PKに見えたぐらい微妙な位置でした。蹴るのはペレイラ。これが最後のプレーでしょう。みんなの期待を背負ったボールは壁の上を曲がりながら超えてゴール右隅へ、ノータッチで決まります。スタジアム中総立ちです。コンサドーレの大合唱です。

 延長に入っても、スタジアムはコンサドーレの応援一色。点を入れられたり、追いついたりの展開が観衆の目を覚ましてしまいました。延長に入ってもバルデスは果敢にゴールをねらってきます。今日のディフェンス陣はすごかったですね。とにかく守ります。延長前半5分ようやく今日の舞台が終わる時がやってきました。左サイドを駆け上がる金がさらにゴール側へ切り込みます。そこから、マイナスのセンターリングがパスでゴール前を横切ります。そこに詰めていたのがオテーロ。オテーロの左足ボレー一閃。ゴール右隅にゴ~~~ル、ゴ~~~ル、ゴ~~~ル、ゴ~~~ル、ゴ~~~~~~~ル。観衆総立ち、手拍子、歓声が入り乱れます。鳥栖の選手は、ピッチにへたり込んでしまいます。その後、10分くらいはスタンディングで拍手が続いていたんではないでしょうか。

 今日の勝ち方は、どこぞのシナリオライターが書いたような展開になりましたが、とにかく勝って良かったです。

 今日の厚別劇場の芝は、ナイターにはえてすごくきれいだったです。きれいな緑色でした。ただ、ラインが消えかかっているような感じで、見えにくくなっているのはいただけなかったです。

(記事:二上英樹)

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