: 札幌コンサートホール「Kitara」は、
: 従来の「札幌市民会館」や「北海道厚生年金会館（これは公設というのかな？）」などと違い、
: 「コンサート専用ホール」という特性を持っています。
: 「札幌市民会館」の様に昭和30年代の市民会館ブームの際に建設された、
: 使い勝手の悪い「多目的ホール」とは異なります。

　僕はそんな「キタラ」の機能をどうこうくだくだ言ってるわけじゃないんで。専用ホール大いに結構。でもね・・・。

: さらに札幌には「札幌交響楽団」があり、
: しかも「パシフィックミュージックフェスティバル」という国内最大のクラシックイベントがあり、
: いずれも多数の市民の間に定着しています。

　一体「多数」ってどのくらいなんでしょうか？もちろん、これからの「キタラ」を黒字で運営していけるだけの「多数」なんでしょうねぇ。
　大体、なんで札響があるから専用のホールを作るっていう根拠が成立してしまうのか理解に苦しみます。一つの交響団体が成立するたびにいちいちそのために環境を整備していかなければならないっていう事なのかな。
　

: つまりクラシックホール建設のバックボーンはあるということです。

: 確かにクラシックに興味のない人もたくさんいますが、
: Kitaraの高い稼働率と聴衆動員数を考えると、決して無駄ではなかった。
: 逆に「多目的ホール」である市民会館の方がよっぽど「ハコ物行政」です。
: いうなれば、Kitaraはそういったハコ物への反省の産物といえるでしょう。

　これは前にも書きましたが、僕にはキタラができた経緯も結局従来の「ハコモノの行政」と何ら変わりません。何故なら、建設を願う人達が、将来の黒字経営への展望も含めて草の根で計画を立ててきたものじゃないからです。
　「いやそんな事はない、ちゃんと建設の嘆願書をずっと出してきた。」とか、「キタラは住民の念願だった」っておっしゃる人達は、お怒りかもしれません。ただ、どんな立派なものを、住民が念願しているものを建設したとしても、それを有効に活用していく土壌がしっかりと地域に根付いていなければ意味を為さないって言うんですよ。そのバロメーターの一つが「黒字運営かどうか」であり、これを無視していては本末転倒の議論になると言ってるんです。つまり、全国各地に建設された、「文化ホール」みたいなの、って結局できた当初は「あぁ、こんないいものができた。これで過疎化が防げる」的な考えしか無かったんで、結局利用されないツケは、維持費を住民が支払うという形で支払っているわけです。
　そういう意味では、もう既に出来ている物を言うのもなんですが、キタラは従来の箱ものと発想が何ら変わりません。もちろん、過疎化防止の為に建設されたものではないでしょうが、設立の発想が、整備新幹線や新規の高速道路と同じ、採算度外視のドンブリ勘定では到底賛成するつもりはありません。地元の人は欲しがるだけ欲しがって結局採算なんて考えてないんだからさ。
　願うのは、キタラがこれから頑張って黒字運営をして行ってくれることですね。頼むから、維持費という目的でダラダラ補助金を垂れ流す先にはなって欲しくないものです。

　あと、「多目的ホール」ですが、音はともかく、僕は今の時点ではこれで十分だと思いますね。確かに立派ではないですけど、一つの目的で採算を出せない以上、色々な目的に利用できるように設計されているってのは、日本人的発想でいいと思います。その通りに、採算取れないんだから。

:
: となると、スポーツのバックボーンが薄い札幌では、
: 札幌ドームは「ハコ物行政」といわれても否めないです。
: コンサドーレがあるんだから、サッカー専用のスタジアムの方が良かったんです。

: しかし札幌に雪さえなかったら、とっくの昔にプロ野球チームは出来ていた。
: ドームを拠点にスポーツ文化都市に育てて行くのは、
: 行政と市民（道民）の使命です。

　これは良く分かりません。北海道にプロ野球チームが無かったのは、雪のせいではなく、単純に「北海道民が、野球チームを必要としなかった。」または「それを設立させるだけの土壌が無かった」だけなんじゃないですか。
　それと、行政が自治体を「文化都市に育てていく」なんてのは、ただの幻想に過ぎません。そこに住む人達がそれぞれ持つ概念によって作り出していくのが文化なんです。考えが昔の自民党みたいですよ（笑）。それって住んでるヤツらが馬鹿だから、俺達自治体が啓蒙していこう、って言ってるようなもんだよ。アメリカではオリンピックを「必要ない」って返上しちゃう所だってあるんだよ。そこの人達は果たして無知蒙昧の輩なのかな？僕には勇気ある行動に映るんだけど・・・。
　文化なんて偉そうに「作り出していく」物なんかじゃないの。そこに住んでる人達が、馬鹿だろうがなんだろうが言われても、好きなものを、「自分の手で」大事に大事に育んでて何十年か経って気がついたら文化って形になってたって物なんだと思う。

　まぁ、本当にプロ野球チームが欲しいんだったら、準フランチャイズなんて拒否した方がいいですね。ますます、自分らで作る気なくなっちゃいますから。