J2寸評 第29節:どうしてももつれる湘南戦、打ちも打ったり33本

 湘南をホームに迎えての第29節の試合は、1万6千人を越える観衆で埋まったスタジアムで行われた。試合の方は、ここのところピリッとしない試合運びの目立つコンサドーレが、この日も、前半はまったりした内容。それに対し、押し気味に試合を進める湘南は、前半39分、二種登録(高校生)の杉本選手のゴールで1点先制する。今季J2の対戦相手10チームのうちで唯一完封したことのない相手が湘南だったが、この日も完封はならなかった。試合が大きく動いたのが、後半11分、野々村選手が一発レッドで退場し10人になってから。これで目が覚めたのか、動きの良くなった札幌は、一人少ないのに試合のペースをにぎる。そして後半41分、エメルソン選手のゴールで同点に追いつく。そのまま湘南ゴールを攻め続けたが、追加点を奪うに至らず、厚別開幕戦となった前回の対戦(第10節)と同じく、延長戦へ。延長前半にPKのチャンスを得るが、ポストに当ててはずしてしまう。その後、お互いゴールを決めるに至らず、結局、今季3度目の対戦は引き分けに終わった。
 この日の試合一人少ないコンサだったが、(一人減ってから)攻め続け、シュートは打ちも打ったり33本。1試合あたりのJ2記録タイだそうだ(過去のJ2記録は、昨年川崎Fが記録した33本(対東京FC延長引き分け)、(対甲府90分勝ち)の二試合、Jリーグ記録には37本の記録もある(しかも、この時も平塚-札幌戦(98年)、ただしこの時は平塚が打ちまくり))。また一人で18本を放ったエメルソン選手は一試合一人あたりのシュート数の記録を更新したらしい(こちらはJリーグ記録の模様)。(以上記録の話は未確認)
 今節の他会場、一番の注目は、2、3位決戦となった駒場の浦和-大分戦。勝ち点3(1試合分)の差で行われた試合は大方の接戦の予想に反し、4-1で浦和が快勝した。今節行われた5試合のうち、4試合までが延長に突入しもつれたのに対し、駒場だけが蚊帳の外だった感がある。これで浦和は、当分は三位大分を勝ち点差6に突き放し、札幌との差を10まで縮めた(実質は浦和は、札幌・大分より消化試合数が少ないので、それぞれ差は9と7である)。大一番での勝負弱さの目立つ浦和であったが、そろそろ調子を戻しつつあるのか?そして、このままJ2チャンプまで一気に上がってくるのか?昨年、最終戦で沈んだ大分、シーズン終盤まで3位につけて、最後にまくって昨年の逆の展開を見せるのか?そして我らがコンサドーレは?第3クール終盤、今後の見所が絞れてきた。
 さて、この日の試合が終わって、札幌の8月の成績は2勝1敗1分け。前節の水戸戦でも、水戸の新外国人に前半は五分以上にわたられ苦戦した札幌、終了間際に突き放しかろうじて勝利を収めた感がある。前半はゆっくりとした展開で、後半勝負をかけている展開が続く、ここのところのコンサ。記録となった16連勝が止まった大分戦以降、いまいちパッとせず、苦戦が続いているような気もする。16連勝していた頃のコンサドーレがホントのコンサで今は調子が落ちているのか、それとも16連勝していた頃が調子が良くて今のコンサドーレが本来の力なのか。調子が落ちていると思うから叱咤する応援をするのか、元々非力だったのだからと今こそしっかり盛り上げる応援するのか、決めるのはスタジアムへ足を運ぶ一人一人である。次節大宮での試合に8月の勝ち“越し”をかける。