札幌市がHFCに今年度の補助金支出へ、北海道は見送り

札幌市が19日までに、北海道フットボールクラブ(HFC)に対し、1億円を上限に補助金を支出する方針を決めたとことが明らかとなった。一方、北海道は20日までに今年度中の補助金の支出は見送る方針を固めた。この問題は、経営難にあえぐ北海道フットボールクラブが、来春までに不足する約四億円の運転資金について、今年8月に札幌市や北海道に財政支援を求めていたもの。

札幌市が決めたのは補助金支出で、補正予算案を12月上旬の定例市議会に提出する。ただし、ここで市議会を通過しないと補助金は認められない。札幌市が補助金支出に踏み切ったのは、コンサドーレ札幌の役割について考慮したため。「道民、市民を元気づけ、地域に果たす役割を考慮すると、経営が安定するまで一定期間の財政支援はやむを得ない」という立場をとる。そのため、2000年度以降も補助金による支援を継続し、その期間は最長で6年(6年後にはHFC設立10年を迎える)。補助金の支出には名目と使用途が必ず必要だが、これは、ユースの運営費や、北海道に位置することによる、他チームに比べて高くつく遠征費などに対して補助する予定。金額は年度ごとに決める。

これに対し、北海道は、12月に行われる定例道議会にHFCへの補助金を組み込んだ補正予算案を計上しない。当初、堀達也知事は札幌市と歩調を合わせて財政支援を行う意向を示していたが、見送られた。これは、道議会の一部に追加支援に根強い反発があるほか、市・道の他に支援を求められている道経済界からの支援の詳細が不明なことにもよる。今年度予算案への計上は見送られたが来年度以降の予算案で補助金支出などの支援を行う含みを持たしたものとなっている。

市、道の態度が明らかになったことで、以下のように、今年度はやりくりすると見られている。HFCは今年度中に4億円の運転資金の不足が見込まれていた。このうち年末までの第3四半期に不足が見込まれている2億円の運転資金は、後援会が約5千万円集まったことにより、残りを道内経済界からの支援5千万円、札幌市からの1億円で資金ショートを回避。年が明けて、1月から3月の第4四半期に不足する残り2億円は短期融資で乗り切る。

HFCの現在の累積赤字は30億8千万円。今回のHFCの支援要請は、今年度不足する運転資金に関してのものだが、財政支援に関しては市議会道議会ともに根強い反対があるのも事実。これまでに、市・道共に1億5千万円の出資、98年度に5億円の融資をしている。この問題に関しては、コンササポの手で、支援を求める10万人署名が実施される一方、税金投入反対派の人達による陳情書提出といった活動も起きた。コンサを取り巻き、多くの人と意見が飛び交い、発足わずか四年のコンサドーレが、良きにつけ悪しきにつけそれだけの人に影響を与えるほど大きな存在になったことを感じさせる。今回の支援要請にあたり、長期の経営健全化計画の提出が求められているが、HFCが今月下旬にまとめることになっており、その内容にサポーターの注目も集まっている。

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