【寄稿】コンサドーレ札幌ボランティアスタッフ日記 by 柴谷 潤さん

今年から始まったコンサドーレボランティアスタッフ制度。この制度、コンサドーレのホームゲームが行われる厚別競技場での試合運営にボランティアで参加してもらうもの。もちろん、経済的に苦しいクラブの台所事情を少しでも和らげようという面もあるが、市民球団を目指すコンサドーレとしては、直接市民に運営に関わってもらって、真の意味での市民が支えるクラブになろうという大きな意義も含んでいる。今年、スタッフに採用されたのは、100人ほど。ほとんどのコンササポーター(コンササポーターに限らないが)は、このボランティア制度がどんな風に実際運営されているか知らないと思います。今回、ボランティアスタッフとして参加されている柴谷さんに、ボランティアスタッフの様子をまとめてもらったので、ご紹介します。興味を持たれた方は、来年にでも参加されてみては。

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コンサドーレボランティア日記 by 柴谷 潤さん

7月15日(水)説明会 at 北海道フットボールクラブ(HFC)3F会議室

コンサドーレボランティアスタッフ(以下CVS)の説明会は7月15日(水)と19日(日)に、1日2回の合計4回行われ、僕は初回の説明会に行ってきました。人数は50人近くが集まり性別、年齢層は様々です。はじめに登録申込書(志望動機など)と誓約書を提出。北海道フットボールクラブ(以下HFC)の方の挨拶の後、15分くらい仕事内容やその他の説明があり、最後に質疑応答。ワークスケジュールなどは後日郵送ということで本日はこれで解散。

<一言いわせて~独断、偏見あり>
思っていたよりもあっさりと説明会が終わってしまった。旭川や長万部からも希望者がいるというのを聞いてびっくり。ちなみに集まった方々の年齢層が予想より高いのにもびっくり(僕みたいな学生ばかりと思ってました)。やはり、サポーターは偉いです。

7月25日(土)自宅

HFCからワークスケジュールが送られてくる。CVSの名簿もあり総勢97名、男女比は4対6で女性が多いようです。今年のCVSは説明会参加者全員が採用となったので、1人あたり2~3試合担当することになりました。僕の担当はファンクラブテントで、29日のセレッソ戦がデビューとなりました。

<一言いわせて~独断、偏見あり>
深い意味はないのですが女性の方がこれほど多いとは思っていませんでした。興味を持ってくれる方がたくさんいて男の僕としてはうれしい限りです。僕の担当はファンクラブテントになりました。今まで男性がしていた仕事ではないので受付のお姉さんを毎回楽しみにしていた方々、ごめんなさい。

7月29日(水)vs セレッソ大阪戦 at 厚別競技場

いよいよ初仕事です。開場は17時ですが、CVSは16時に競技場集合です。今日の担当は全部で19名。やはり、男女比は4対6で女性の方が多かったです。一人一人にスタッフパスと本日の交通費2000円が与えられ、その後はHFCの方が仕事の説明と競技場の案内をしてくれました。CVSは今回から始まったのでTVの取材が多かったです。17時の開場に合わせて各自の持ち場へ移動。僕の担当は第4ゲートのファンクラブテント。主な仕事はスタンプラリーのスタンプ押しとファンクラブ入会手続きでした。この日は今シーズン初めての札幌での試合ということでとても多くのサポーターの方が訪れ、仕事の方も忙しかったです。試合開始後に30分ほどお弁当タイム(弁当支給)。その後は終了まであまりお客さんも来ないので、歓声で試合結果を想像する。試合終了、結果は惜敗。試合後は抽選会の商品の受け渡しなどで大忙し。その後は後片づけを行い、仕事は22時くらいに終了、帰宅。

<一言いわせて~独断、偏見あり>
完全に仕事が分かれているため、他の人たちと話をする機会がほとんどありませんでした。ちょっと場を仕切るたがるおじ様、おば様がいたり、僕としては同年代が少なかったのが寂しかったです。試合は全く見ることができませんが、裏で試合を支えているという充実感がありました。ちなみにお客様に一番多く尋ねられたことは「公衆電話はどこですか?」でした。


コンサドーレボランティアスタッフについて

ボランティアの概要を簡単に述べますと、以下のとおり。

  • 業務内容
    • 札幌厚別公園競技場内でコンサドーレ札幌のホームゲーム時
      1. ファンクラブコーナー担当者:スタンプラリー、F.C.入会、バッチ販売など
      2. 会場案内・ゲート管理担当者:座席案内、入場者数カウントなど
      3. 来賓受付・接待担当者   :受付、接待
    • なお拘束時間は試合開場1時間前~試合終了1時間後(約6時間)です。
  • 応募資格(条件)
    • 年齢18歳以上~60歳くらいまで
    • 健康な方
    • 競技場への手段を確保できる方
    • 試合観戦は不可
    • 説明会に参加した方
    • スケジュール調整は事務局に任せる
  • 特典、その他
    • ホームゲーム無料招待券(B自由席2枚)
    • ’98ボランティアIDパスをシーズン終了後にプレゼント
    • ボランティアスタッフ交流会を予定
    • 1試合につき2000円+お弁当

これについては説明会で「なぜボランティアなのにお金が支給されるのか」という質問がありました。これに対する事務局の答えは「遠くは旭川や長万部からの希望者がいるので、名目上は交通費ということ。来年からは再検討するということ」です。


最後に

僕は柴谷 潤(しばや じゅん)と言いまして、現在大学4年生です。2年前にコンサドーレが厚別に来たときから昨年まで、試合会場設営や運営というアルバイトをしていました。仕事内容は会場案内、チケットの販売、もぎり、ファンクラブ、物販テントの設営撤収、来賓受け付け、ゴミ拾い等です。元々お金が目的ではなくサッカーが好きだったので少しでもコンサドーレの役に立てるならという気持ちで始めました。今回のCVSでする仕事はこれらの仕事のうち、案内、受け付け、ファンクラブの3つで、単純に考えると20名近いアルバイトの雇い分の費用が浮くことになります。
CVSの様子ですが、初めてという事もあってまだみんな仕事慣れはしていないようです。多くても1人3試合なので仕事を覚える前に終わってしまうかもしれません。僕が偉そうなことを言える身分ではないのですが、まだ競技場に関する知識と接客態度に仕事で来ているという感じはなく、一部お客さんのような気分で接している方が多いようです。あまり言いたくはないのですが来賓の控え室で煙草を吸ったり、お菓子などに手を出す方がいたのには残念でした。たとえボランティアであっても仕事が始まれば完全な社員だと言うことを忘れてはいけないと思います。その点の教育はまだ始まったばかりなのでこれから改善されると思います。将来的にはアルバイトなどは雇わず、全てがボランティアで支えることができれば経費の面で、わずかながらもコンサドーレの役に立つと思います。また、HFCの方も言っていましたがこの経験がいずれ来るだろう2002年のW杯のボランティアの基盤となれれば最高だと思っています。

(以上記事:柴谷潤さん)