[第1節]in笠松:水戸ホーリーホック戦(写真付)

『横浜の渡辺さんの観戦記』

笠松ってどこだ!?

いよいよ始まるJFL公式戦。高鳴る期待に胸を躍らせながらサポーターたちがまず最初に取り組んだことは、緒戦の会場「笠松探し」でした。なにせ今年JFL昇格を果たしたチームのホーム(しかもホームタウンをプリマハム時代の土浦から移転)。よってコンサ側はほとんど全員が未到達の地。「どこ?」「まさかオグリキャップの笠松?」(←それは岐阜県だ)。書店の地図、Nifty、インターネット…。あらゆる手段を駆使しての「笠松大捜索」を、たぶん当日集まった多くのサポーターが体験したでしょうね。
探し当てた笠松運動公園競技場は茨城県那珂町。ここの隣町が最近話題の「動燃」がある東海村。たぶん国からの補助金がワンサと出たのでしょう。JR東海駅(常磐線)の立派なこと立派なこと。コンコースにはギャラリーまであったくらいですから。 競技場はやっぱりトラック併設。バック・ゴール裏は下半分が芝生席で、上半分はまるっきりの「石段」のスタンドでした。メインはさすがに屋根が3分の1くらいあって、たぶん地元の選手の縁故関係者(笑)が詰めかけていました。それよりも、もうちょっとピッチの芝生に金をかけてもらいたかったな。まともに生え揃っている地域の方が珍しいくらい。「あ、芝なのね」とわかる部分さえ、試合前とハーフタイムに頼んだ覚えもないブラスバンド隊がやってきて踏みつけてしまう始末。だからイレギュラーもたびたびあったようですね。もっとも条件はホーリーホックも同じですから、それが苦戦の原因とはいえませんけれどね。

「川合呼んでこい!」

じりじりするような試合展開。確かに水戸はよく頑張りました。コンサドーレは水戸イレブンの気迫に気圧されていたようでした。
東芝サッカー部の札幌での新たなスタートに選手も地元も燃えたのと同様、水戸もこれが大切な歴史の第1歩を記す試合。今期の優勝候補と言われ、Jとも互角に戦い成果を挙げたコンサ相手に臆するところなく、勇敢に誇りを持って戦いました。「引いて守りに入った」とか「実力ではかなわないから反則覚悟で削りに来た」とか、戦前我々が恐れていたような展開にはなりませんでした。 前半0-0。後半もゴールは遠い。
ここでコンサドーレのゴール裏で話題に出たのが、「川合呼んでこい!」。残念ながら筆者はナマで見られなかった昨年までのコンサドーレの人気者にして、今年は新天地を大分に求めた川合。役割は相変わらず「スーパーサブ」らしいのですがね(ホント?)。あからさまな「どんべコール」までは起こらなかったものの(それはさすがに今年の選手に失礼だし)、昨年からコンサを見守り続けているサポーターにとっては、「ちょっとだけアルバイトでいいから戻ってきてゴール決めて」と思ったことでしょう。 優勝を狙うにはレギュラーをきちんと固めることと同時に、レギュラーと遜色のないサブを用意することも重要。怪我もすれば警告も疲労もたまるし。それに一般社会でも共通のことではありますが、地位が約束されている人間はえてして進歩する努力を怠ってしまうもの。外国人を含めてレギュラー選手に危機感を与える意味でも、チームの層を厚くして戦術的なオプションを増やす意味でも、サブの充実は避けては通れない課題でしょう。
その意味では後半途中から出場した鳥居塚が値千金の先制ゴール。これはうれしかった。ウーゴの仕事を全部まかせてしまうのは荷が重いにしろ、見ている者にとって「トリが出てくれば流れが変わるんじゃないか」と期待を抱かせる選手になりつつあるようです。コスモ石油さん、ありがとう。

コータ、フッ飛ばす

みんなの期待の星「コータ」こと吉原宏太。後半から投入され前線を活性化。2得点にからみ、全体に低調だった試合の中で一条の光を見た思いでした。
中盤でのボール支配率で優位に立てず、有効なボールが来ないウーゴ、バルデスが時折り強引なプレーを見せはじめました。そんな中でなんとか周りを使い、また「オレに付けてくれ」と必死でスペースへ走り込んでゆく彼の姿は、巷間伝え聞いた「チームにフィットしていないのでは」の心配を払拭するに充分でした。パス&ゴーの基本的な狙いを持った動きもまずまず。コンディションもなかなか良かったようですね。 恥ずかしながら筆者が生コータを見るのはこれが初めて。動くコータを見るのも昨年の高校選手権のTV以来。そのときは怪我と疲労をおして出場してゴールを重ね、全国のサッカーファンに鮮烈にその存在をアピールしたコータ。その一方で相手高校のきついマークの前に、結構コロコロ転がっていたという印象も筆者個人としては持っていました。
コンサ入り後も、やや体に恵まれていないせいか紙の上で見るコータはなんとなくひ弱なイメージで見てしまっていました。それでも昨年序盤は快調にゴールを決めていましたから、やはりそれなりに非凡なところはあるのだな…あとは体ができてくれば…と、思いながらの生コータ観戦。
コータは倒れませんでした。足がからんで倒れたシーンは数回あったものの、心配された相手のチャージを受けてフッ飛ばされるというシーンは皆無。逆にコータが相手選手を蹴散らす場面が筆者が確認しただけで3回。激しいプレーはあったものの汚いプレーではありませんでした。
去年のコンサでのコータを知らないので「一皮むけた」とか何とか評論家みたいなことは言えません。でも次のジャトコ戦でも必ず出番はあるでしょう。今度はぜひともゴールを決めて欲しい。北海道で待つサポーターのために1点でも2点でも(3点以上でももちろん可)決めて、それを手土産に室蘭や厚別に勇姿を見せてほしいですね。

(以上記事提供:横浜の渡辺さん)

サポーター (写真&コメント提供:横浜の渡辺さん) 笠松に集まったサポーター連。北海道からのツアーを含めた声援隊は約50人。地元鹿島アントラーズのサポーターの友情応援も加わり、なんとかカッコはつきました。よく見ると旗はツアーの旗ですし、それを振っているのがアントラ助っ人だったりします。試合後には感謝しつつも、「10月、(ナビスコの準々決勝)札幌で待ってますよ!」「もう寒いっすよ」「雪降りますよ!!」と、たっぷり先制ジャブを入れておきました。
試合終了 (写真&コメント提供:横浜の渡辺さん) 試合終了後、2-0の勝利なれど内容は最悪。ゴール裏への挨拶へむかうイレブンもまるで敗戦後のよう。一様にうなだれています。左からトガ、トリ、龍、ごっさん、コータ、ペレ(後方)、卓、デリー、達、貴、ディド。
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