J2寸評 第4節:道内開幕戦を飾る

 四節目にして、ようやくコンサドーレが北海道に戻ってきた。相手はここまで調子が出ない新潟。昨年も春先に室蘭で対戦したがその時は負けている。また、昨年の道内開幕戦は鳥栖が相手だったが、その試合も負けた。いろんな因縁があるこの日の道内開幕戦は、何が何でも勝たなくてはいけないコンサドーレ。北海道では、この日までに有珠山の火山活動が活発になって災害時体制に入っている。室蘭も有珠山にけっこう近いので、状況は気になるし、影響が心配された。こんな時にサッカーなんてという意見もあるだろうが、こんな時だからこそ、ちょっとでも元気を出してもらうために北海道のチームは負けてはいけない。甲子園の北照は残念だった。
 試合の方は、他の試合に先立ちデーゲームで行われた。平日のデーゲームに関わらず、3000人を越えるサポが集まった。開幕からゴールを連発しているエメルソン選手は、この日も快調。前半24分に、きれいに左サイドからくずした伊藤選手のふわりとしたボールにあわせて先制。3戦連発のゴールを決めた。試合はコンサペースで進み、後半開始すぐに、この日FWとして先発した黄川田選手が、野々村選手のFKにあわせて、今季初ゴール。途中ビジュ選手の負傷退場などもあり、試合の流れは新潟に傾きかけるも最後までDF陣が踏ん張り、終了間際に途中出場した深川選手がペナルティエリア内をドリブルで切り裂き、とどめのゴールを決めた。結局大事な道内開幕戦を3-0で快勝し、開幕から三連勝、三連続完封を決めた。
 さて四節の他の試合だが、今節は大荒れの展開になった。荒れもどんでん返しの方ではなく、ゴールの乱れ飛びの方。デーゲームでコンサドーレが大勝したことに触発されたのでもないのであろうが、鳥栖で行われた鳥栖-浦和戦は、0-7で浦和の勝ち。湘南-山形と、大分-大宮はともに5-2で湘南、大分の勝ち。この三試合だけで21ものゴールが乱れ飛んだ。コンサドーレの試合と、1-0となった甲府-仙台戦のスコアがなんとサッカーらしいことか。
 7点差ついた鳥栖-浦和戦だが、開始直後、鳥栖GKの高嵜選手が、ペナルティエリアの外で手を使ってボールを止めたということで、一発レッドで退場したのが響いた。昨年得失点差でJ1落ちしている浦和だけに手を抜くはずもなく、取りも取ったり7得点。J2最多得点を記録した。ちなみにこれまでの記録は、新潟と札幌がそれぞれ甲府戦で昨年記録した6-0だった(少しくやしいが)。また、鳥栖はJFL時代までさかのぼると、一昨年に川崎F戦で、おなじく0-7の敗戦を喫しており、それ以来の大敗。選手の怪我に泣かされているのは札幌だけではなく、浦和も同じで、路木、小野、ピクン、ペトロビッチ、阿部の五選手は怪我(手術含)でこの日の試合に出場していない。浦和はエースに頼らずに選手個々が自分を押し出してプレーした方が強いのではないかと思わしてくれるこの日の試合であった。
 退場に関しては湘南-山形戦も結構すごく、この日山形がもらったイエローは7枚。こんだけもらえば2枚目になる選手もでてくるはずで、80分頃に一人退場している。そんだけ、湘南が押していたということであろう。湘南は松原、前園、大分ではウイルとバルディネイの各選手それぞれ2点を決め、でてくるべき選手がでてきて怖い存在になりつつある。
 順位表は四節を終えて本命と見られていたチームが上の方に固まってきた。札幌がその中にいることの、なんとうれしいことか。しかし、昨年開幕から4試合続けて勝ち星がなかったにもかかわらず、上に上がっていたチームもあったりしたのがJ2リーグ。まだまだ3/40にすぎない。わずか三試合しか消化していないのにけが人の目立ちはじめた札幌。しかし日程の方は待ってくれず、次節は三日後日曜日に仙台で、ここまで勝ち星のないベガルタ仙台と。完全に開幕ダッシュに失敗した仙台に負けるわけにいかず、試合運びの難しい試合となりそう。