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  • Subject: 選手達の戦力外通告で思い出すのは
  • From: ネル@オールドファン
  • Date: 1999年12月17日 22:36:53

    コンサ1年目の、東芝社員選手のこと。
    早々に、東芝社員選手の出向が解かれることは決まっていて、
    加藤、木島、河合、後藤静、新明、茶木といった、
    レギュラークラスの選手のゆくすえはなにも分からなかった。
    浅沼は、早々に、東芝社員としての人生の選択をして、引退を表明していた。

    天皇杯直前、当初の発表通り、東芝社員選手の全員解雇が発表された。
    当然サポーターは騒然となり、フロントへの批判が渦巻き、署名活動が行われた。
    天皇杯2回戦、室蘭での試合、会場は、一部のサポーターの抗議活動に備えて、
    いつも以上の物々しい警備が敷かれた。
    幸いにして、直接的な行動は行われなかったが、ゴール裏には
    「忘れない フロントの愚 忘れない 東芝社員選手」
    なる横断幕が張り出された。
    そして試合後、声を絞り出すようにインタビューに答えていた木島選手に向かって、
    メインスタンドから声が投げかけられた。
    「サッカーやめんなよ」
    この言葉に、木島が泣いた。木島だけではない、東芝社員選手の心に染みたことだろう。

    次の年、東芝社員選手が4名、大分に移籍した。
    浅沼は、みんなの予想を裏切って、札幌の選手として、プロの荒波に飛びこんできてくれた。
    そして、コンサドーレ札幌がJリーグ昇格を決めたあの試合、
    大分の東芝元社員選手は、みんな厚別のピッチに立った。かつての所属チーム相手に、死に物狂いで戦った。
    自分達を守ろうとしてくれたサポーターに、そのプレイで返礼をしてくれた。
    そして今、プロを引退した彼らは、「サッカー未開の地」北海道のに移住し、
    アマチュア選手として、サッカーの素晴らしさを私達にもたらしてくれている。

    署名は、サポーターの声は、結局は彼らの身を救ってはくれなかった。
    しかし、確実に彼らの人生を変える大きな力になった。
    今年、札幌を去る選手達の将来に、幸多からんことを。

    追 記
    現在、「ある選手」の去就に関して、非情にも追い出しにかかっているかのような意見が
    主流を占めている現状がある。非常に悲しく感じる。
    彼がコンサを必要としているかどうか、当事者ならぬ私には分かるはずもない。
    彼は、自分の意思で自分の将来を決めようとしている。
    しかるに、なにをもって彼を北海道の地より放逐しようとするのか。
    なにゆえ、彼の今までの功績を称えないのか?
    彼が、自分の意思で決めるべき進路を、誰にそれを批判する資格があろう。
    彼にも、コンサの選手・スタッフすべてにも、幸多からんことを。


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