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  • Subject: Re: 「高校生」という単語が一人歩きしていないか?
  • From: maro
  • Date: 1997年12月04日 12:07:20
  • Reply-to: 「高校生」という単語が一人歩きしていないか? By 平塚 健史

    : : : コンサだけでなく札幌のイメージも悪くなっただろう。

    :  何故札幌のイメージが悪くなるのでしょうか?「一発退場を喰らうダー
    : ティな選手が札幌にいるから」それとも「高校生を蹴ったのが放送された
    : から」? 多分後者ですよね。注目カードでTV放送されたから話題になっ
    : ているだけのことではないですか?もしも相手が社会人ならこれほど話題
    : にはならない筈です。

    一緒でしょう。
    あの「けりかた」が(も)問題なんです。
    相手が高校生だからという対象の問題にはならないです。
    Jリーグの理念はおわかりと思いますが(もちろん一般の人は知らないでしょう)、
    地域密着、おらがチームというのは形だけのことではないのです。
    イメージという断片的ながら強い印象を与えるものは、
    一瞬であらゆる要素を含み、見た者に想像させるのです。
    あれは札幌対鹿児島の試合でもありました(そう見ている人も多いのです。それが天皇杯の枠ですから)。
    「札幌の選手」が「鹿児島の選手」を「ボールのない所」でけっとばしたのです。
    鹿児島の多くの人はどう思ったでしょう。
    表層では冷静にサッカーの試合と受け止めるかもしれませんが、
    サッカーに興味のない人の目にも触れたのです。
    そんな大多数の彼等の深層にはどう焼き付いたでしょう。
    イメージは表層ではなく深層にとどまるもの。
    口にはしなくても、あのシーンはあまりに強烈でした。
    我々サッカーファンでもあのシーンには目を覆いたくなったはずです。
    もちろん、サッカーが根付いていない札幌の人々にとっても、
    かなり不快な印象を与えてしまったことでしょう。


    :  彼らは鹿児島県予選を突破してきた鹿児島県最強チームなのです。それ
    : ならば「高校生相手に」という意見はおかしくないですか?

    それはしごくサッカーファン的な意見で一般論にはあてはまらないのです。
    ピッチ上の出来事だろうと、多くの人はその持ちえた一般社会の倫理道徳観で
    判断し、見てしまうものなのです。
    スポーツとは言え、善と悪、被害者と加害者は、そのプレイの局面局面で
    見た者に意識されることが、時にはあるのが事実です。
    試合のルールは全ての人のイメージまでを縛りつけることは出来ないのです。
    あのプレイがサッカーの盛んな、サッカーに理解のある国の中での事なら、
    もう少し違っていたかもしれません。
    しかし、W杯初出場をも決めた日本サッカーにとって大変大事なこの時期に、
    あのようなプレーは絶対あってはならないのです。
    あの「ひとけり」が日本サッカーを後退させかねないのです。
    この国のサッカーに対する認識、理解はまだまだ低く、国民の多くは、
    多様性も持ち、経験し、寛容になれる大人の目を持ちあわせてはいないのです。
    我々サッカーファンが一般の人にその認識を当てはめて意見するのは、
    非常に危険で、ときに問題なのです。


    :  後半戦にはディド選手と鹿実の9番が接触して、9番が一時担架で運ば
    : れていきましたが、このとき9番が骨折や内蔵破裂になっていたら「将来
    : ある高校生を再起不能にした」ディド選手は非難されるのでしょうか?
    :  また「高校生相手に…」と曰くありげに映像を流したNHKサンデース
    : ポーツの態度も不快です(他局は見ていないのでコメントできません)。

    NHKの表現が「一般論に近い」と見ても、この場合問題ないかもしれません。
    他局は「高校生の大活躍!!」という観点が多かったです。


    私は札幌出身者で、札幌でサッカーをし、札幌を愛し、
    今は経済も含め、とても不安で心配しています。
    『コンサドーレ札幌』という素晴しいチームが出来て、
    札幌にサッカーが、念願のプロスポーツチームが
    根付いてくれることを心から願っています。
    チームがJ昇格を決め、選手、市民道民が希望に満ち満ちている時に、
    その出鼻を自らくじくような事はピッチ上でもその外でも、
    選手も我々も絶対にしてはならないのです。
    今は特に大事な時期なのですから。




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