[第10節]in札幌ド:横浜Fマリノス戦

文・写真/ワナダン本舗・中村智嗣

W杯の中断期間中に監督の交代・コーチの入替・選手の補強などイバンチェビッチ体制になっても中々エンジンのかからないコンサドーレ。今日のドーム初戦、相手は去年に引き続き横浜Fマリノス。優勝候補の筆頭だ。しかも向こうの9番を付けるのは昨年の赤黒9番・ウィル。しいたけ頭の10番(S・N)がいなくとも戦力は変わらずの感を受ける。札幌サポーターは「今日こそは連敗阻止!」と気合を入れて早朝から続々ドーム入り。

14時にドーム特別ルール「弾幕・フラッグ・のぼり事前搬入」が始まり、いよいよドームの雰囲気も変化してきた。これが終わればあと2時間で会場となるからだ。
16時、いよいよ開場。サポーターが続々とドームに吸い込まれていく。毎度おなじみの札幌名物「必勝弁当」、今日の名物おかずは横浜中華街にちなんで、あたりまえの「しゅうまい」。予想通りだけにあまり面白くないというかそのまんまではないかと思う。

本日の必勝弁当(横浜中華街にちなんでシュウマイでした)

去年のこのカードはドーム開業以来初のJリーグ公式戦と言う事もあって「スタジアムへの興味」でたまたま見に来た「にわかサポーター」を含んで39319人と言う「売り切れ」状態になっていた。 日頃見に来て応援しているサポーターもまともに買えずネットで手配した人もいたほどだった。今年は成績が今ひとつ(この時5連敗中)のせいかだいぶ余っているようだった。

19:00の定刻通りにキックオフ。スタメン発表でウィルの名前がコールされると「去年のJ1残留に大貢献した感謝の意味合い」での拍手と「もう敵の選手だ」と言う意味でのブーイングでスタンドの反応は2分した。メインスタンドでは拍手の方が多かったような気がしたのだが・・・。

<札幌スタメン>3-4-3
GK:佐藤
DF:今野・古川・大森
MF:酒井・森下・山瀬・和波
FW:バーヤック・シャディウソン・小倉

<横浜FMスタメン>3-5-2
GK:榎本
DF:中澤・松田・ナザ
MF:波戸・上野・遠藤・ドゥトラ・奥
FW:坂田・ウィル

試合は前半から勝利に向かって前向きに攻撃を仕掛けるコンサドーレ。試合開始15分はお互いに様子見で慎重な動きをするものだが、12分にバーヤックがゴール左で倒れこみながらボレーシュートを決める!ドームは一瞬にして騒然となり祝福の声援が響く。
その5分後にはこれまで出番不足だった酒井が右サイドを突進、移籍後初ゴールを決めて更にリードを広げる。前半はこのまま2-0で折り返して去年までのコンサドーレであればほぼ安全圏なのだが このまますんなりと終われないのが今のコンサドーレの現実である。

後半早々10分には疑惑のPKを元・同僚ウィルに難なく決められ1-2。ここからチームがおかしくなっていく。中盤でのプレッシングが甘くなりセカンドボールも拾えない。積極的な選手と・消極的な選手の棲み分けが進みそれが連携に悪影響が・・・。横浜の選手がボールを取っても去年のような詰めが弱い。

81分に波戸が68分に続きこの試合2回目の警告で退場処分に。11対10の数的優位にスタンドからは大きな拍手が起こり勝利への希望が湧いて来たか? しかしかつて函館での仙台戦で同じ状況がありながら勝ちきれなかったことを思い出しなんとなく悪い予感がしたのは私だけだろうか? このまま何とかいけるかな?とほとんどのコンサポが思い始めた87分、悲劇の序章が待っていた。

84分に小倉を下げて曽田を入れて高さ対策を講じるのだが・・・、DF陣が棒立ちになり開いたスペースをドゥトラに決められ2-2の同点に。スタンドからは大きな悲鳴とため息が、そしてかすかに聞こえる歓声がドーム内に渦巻いた。

サポーターがスタジアム全体で盛り上げて必死の声援を送るが幸運の女神は、またしてもそっぽを向いてしまった。サイド攻撃からのセンタリングに奥がダイビングヘッドで反応。洋平の必死のセービングもむなしく2-3と呆然かつ愕然とするVゴール負けで痛恨の6連敗。

今日こそは勝てるか?と前半終了時に期待を抱いていたサポーターが多かったと思 われるだけに最悪の結果になってしまった。しかし点数はとっているので(完封負けはこれまで3試合のみ)、後は守備陣(特にボランチ)の奮起を大いに期待したいと思う。しかし落ち込んでいる時間は我々にはない。4日後に今度はFC東京との試合が待っているのだ。去年までのひたむきな「全員守備・全員攻撃」を思い出してこれから戦って欲しい。

いつまでもどこまでも応援する12番目の選手のために・・・・


ドーム初戦限定、厚別仕様ビッグフラッグ バーヤックの先制ゴール!(本人は左端にいます)
今野VSウィルボールの奪い合い 延長開始前に円陣を組んで気合を入れるが・・・