J2寸評 第38節:ホームで大爆発

 前節アウェイで山形戦に引き分けたため、この日昇格が決まるためには、1時間早く始まる仙台-大分戦で、大分が負け、札幌が水戸に勝つことが必要。厚別競技場には、昇格決定の可能性があるということで、17000人を越える観客が集まった。
 水戸はここまで5連勝、4試合連続延長Vゴール勝ちと、粘り強さを見せる熱血策略家バビチ・ブランコ監督率いるチーム。シーズン途中でブラジル人選手三人を効果的に補強し、これが大きく効いている。ただしこの日は、中盤の要、ジョンパウロ選手は欠場。前回の対戦では、終盤突き放し2-0でコンサドーレが勝っているも前半はあわやという展開だっただけに、この日も“もうすぐJ1昇格だ!”と試合そっちのけで浮かれていると痛い目に遭う。とよんでいたのだが、試合の方は、前節引き分けのうっぷんを晴らすかのような展開を見せる。
 前半14分に播戸竜二選手が二試合ぶりに得点を決めると、つづいて26分にエメルソン選手が三試合ぶりのゴールで突き放す。前半で2-0と突き放した札幌は、後半になっても攻撃の手をゆるめることなく、攻め続け、後半22分から5分間の間に、エメルソン、播戸、名塚善寛と点を重ね、結局5-0で快勝。今季チーム最多得点で勝利を収めた。
 一時間早く終わった仙台-大分戦で大分が勝ったため、この日の昇格決定はなかった。三年前JFLでコンサドーレが昇格を決めたときは、大分が相手だった。この時の大分には川合孝治、木島敦、後藤静臣、加藤剛などコンサから移籍した選手が頑張っていた。今の水戸にも、渡辺卓、木山隆之と元コンサドーレの選手達がいる。大きな節目の試合に、こういった因縁のあるチームとの対戦になるのが、星の巡り合わせかと、大分の敗戦が運命づけられたもののように感じたりしたのだが、そうはならなかった。が、昇格決定まで、勝ち点1のところまできた。次節湘南戦では自力昇格決定をめざす。他会場の試合結果次第で優勝も決定する可能性もある。
 今節他会場の注目は、仙台-大分戦。大分が負けてくれるとJ昇格が決まるためだったが、熾烈を極める浦和との二位争いもJ2フリークにとっては、大きな焦点。今節浦和の試合が無く、次節大分浦和の直接対決があるだけに、3位大分にしてみれば、この試合勝って浦和にプレッシャーをかけておきたいところ。試合の方は、アンドラジーニャ選手のハットトリックで大分の快勝。この試合、大分の攻撃の要、ウイル選手が前半で負傷退場交代。病院で検査を受けて次節出場は無理だの、累積を避けるために温存してあえて引っ込めたなど、いろんな噂が飛び交っているが、策士石崎監督のこと、試合当日まで、ホントのところは明かさないに違いない。そして試合の無かった浦和は静岡でミニキャンプを展開中。新しく就任した横山総監督のチーム改造がどこまで功を奏するのか、試合前から話題の次節大分-浦和戦である。
 そして今節甲府が湘南を破って、4勝目をあげた。大連敗のあと、3勝3敗と調子をあげてきた。残り試合数を考えるに、今季苦労しながらも昨年を上回る勝ち点をあげる可能性も出てきた。
 次節、コンサドーレは土曜日に湘南相手にJ1昇格をかける。そして翌日曜日には、大分-浦和の一大決戦が行われる。こちらにはコンサドーレのJ2優勝決定がかかる。今週末は、今季一番の注目となりそうである。