J2寸評 第32節:負けてもまた勝つ今年のコンサ

 前節サガン鳥栖をホーム厚別に迎えての試合で今季三敗目を喫したコンサドーレ札幌は、この日アウェイ小瀬で甲府との試合に挑んだ。甲府はここまで24連敗でJ2記録を更新中。どこのチームがこの記録を止めるのか?、ロシアンルーレットならず、ヴァンフォーレルーレット。札幌は暑い季節の小瀬と相性が良くないだけにいつも小瀬での試合はドキドキする。とはいえ連敗するわけにいけない札幌にとって、絶対負けられない試合になった。
 天候は大雨、甲府盆地名物のたまるような暑さは心配しなくて良くなったが、ピッチの上は池のようになって、ボールや選手が動くたびに水しぶきがあがる。それでも、得点王独走中のエメルソンが前半に2ゴールを決め、試合を決めた。ヴァンフォーレルーレットに当たることなく、勝ち点を順調にのばした。
 この日の試合、中盤を省略して浮き球で勝負するためか、高木琢也選手が今季初先発。グラウンド条件の悪い中、前線で体を張って、活躍。エメルソン選手のゴールをお膳立てした。
 この日は、大雨の試合。ピッチの状況が悪くなると、ハプニングやラッキーゴールが生まれやすくなってどんでん返しがおきやすいようなイメージがある。でも、実際は、雨のようなピッチの状況が悪い試合は実力のあるチームの方が有利といわれる。もちろんハプニングやラッキーゴールは確かに生まれやすい。ただピッチの状況にあわせてボールコントロールの強弱や案配を変えたり、ピッチへの対応力が求められ、上手な選手の多いチーム(すなわち実力のあるチーム)の方が有利というわけだ。そのため、晴れてピッチの良い条件の時より、差が開く。
 今節しっかり勝ったコンサドーレ。今年は3敗しかしてないが、負けた試合の次の試合は必ず勝利を収め、連敗を記録していない。昨年、“勝ったと思ったら、また負けた”といった感じの連続だったのに比べると、“負けてもまた勝っちまった”と言っていいほどのコンサドーレの快進撃である。
 さて寸評さぼった前節は、鳥栖に負けた札幌だが、この同じ日北海道では道高校サッカーで事件が起きていた。冬の高校サッカー選手権予選で、室蘭大谷高校が室蘭地区予選の段階で初めて敗退した。この日は、そういったどんでん返しの起きる日だったのかもしれない。
 今節他会場の結果は、浦和大分の上位陣が順当がち、大宮は仙台に競り負けて、昇格争いから脱落した感がある。
 次節はコンサドーレは休み。そのあとはいよいよ、最後の4巡目にはいる。