J2寸評 第24節:引き分けはさんでも15連勝

   今節の試合は、仙台スタジアムにてベガルタと。7月に行われる試合のうち、唯一アウェイの試合となる。後半戦最初の山場となる5試合のうち、中日の試合となるこの仙台戦が一番の山場だと思っていた。厳しい試合になるというわけでないが、難しい試合になると読んでいた。
 仙台との対戦成績は累計では確かにいいが、仙台でのアウェイ対戦は大抵接戦になり、しかも負けるときは、いつもコンサドーレの調子が悪い(悪くなる)時。上位チームの直接対決となる浦和、大分戦はもちろん大事だが、これらの試合ではコンサドーレはチャレンジャーとしての姿勢で戦えるし、そういった戦い方をしても文句はでない。それに比べると、仙台戦は第二クールでの成績は抜群ながら、これまでの対戦成績や累積の成績で中位にいることから、コンサドーレが仙台の挑戦を受けるという形になることは否めない。シーズン終盤、“この試合が天王山”といった試合がある時を除いて、シーズン半ばの試合では、こういった挑戦を受ける試合で負けるときが一番痛い。周りは取りこぼしだ、何だと騒ぐし(^^)。こんな時は、次の試合に勝って、連敗を避けることによって、再び良いリズムに戻すのだが、今回の場合は、続く試合が浦和、大分と厳しい試合だ。従って、誰もが考えるベストな形は、仙台戦に快勝して、後顧の憂いがない状態で浦和、大分戦の連戦に突入するというもの。
 ところが、この考えが仙台戦を難しくする。浦和、大分戦は勝ちに行く試合(引き分けでもOK)。その連戦を引き分けでもOKにするためには仙台戦が負けられない試合という位置づけになってしまう。つまり浦和、大分戦は、まず様子を見つつ牽制しあいながら、試合を進め、相手の勝ち点をへずる(引き分けに持ち込む、とにかく絶対3を与えない)のを第一の目的としてもいい(これは現在、コンサドーレが首位に立っているからこういった戦い方が可能)。そして、勝機があると踏んだときのみ勝ちに行き勝ち点3を目指す。場合によっては負けるのも覚悟の上。従って、チーム内の意思統一もまず守備ありき。しかもがっちり。
 これが仙台戦では、勝ち点3を得ることがその後の二連戦を優位に進めるために必要だから、引き分けではダメで、どうしても勝ちが欲しい。しかも2より3だ。先制点がポソッと入って試合をコンサペースで進めればいいが、後半終了間際まで、同点あるいはリードされているとチーム内の足並みが乱れることも予想される。しかも仙台は、負けても勝っても点を取っているチーム。当然、相手が強くても攻撃的に来る。しかも仙台というチーム、伝統的に連勝ストッパーである(連敗ストッパーでもあるのだが)
 と、さんざん心配していたのだが、なんのことはない、ふたを開けると結局は杞憂に終わってしまった。
 ここのところ試合にスローペースで入ることが多い札幌は、開始直後仙台にペースを握られる。しかしながら堅いコンサドーレの守備陣は失点を許さず、逆に前半38分にエメルソン選手がシュートを決め先制点をゲット。壺にはまったように、あっさり、コンサドーレのペースになってしまった。後半、同点・逆転をねらう仙台は攻勢にでるも、後半35分にビジュ選手が追加点を決めると、試合はだんだん荒れだした。途中、播戸選手が負傷退場。結局コンサドーレが、2-0で逃げ切った。コンサ、引き分けをはさんで15連勝。しばらくぶりの完封勝利だ。アウェイ戦連勝も記録だったらしい。それにしても、強いねぇ~。
 今節、浦和、大分は順当勝ち、大宮、湘南、仙台は負け。全チームの順位の変動はなし。次節は、甲府に快勝した浦和と、夏の陣2戦目。厚別が熱くなるのは必至。