J2寸評 第21節:J2新記録の12連勝

 前節水戸に快勝し、試合の無かった浦和をかわし首位に立った札幌は、今節J2記録の12連勝をかけて敵地で湘南とあいまみえた。失点の多さからいまいち上昇機運に乗れない湘南だが、その攻撃力はあなどれない。点の取り合いのゲームになると札幌に分が悪い。前回の厚別の対戦では、終了間際に同点にされ、かろうじて延長Vゴールで勝ちを拾っているだけに、この日ももつれる試合が予想された。しかし試合の方は、完全に“休み明け”したのか、エメルソン選手が絶好調。開始わずか2分にセットプレーくずれからゴールをたたき込み先制パンチ。前半26分には湘南・前園選手のFKを松原選手に直接ヘッドで決められ、同点ゴールを献上。しかし、後半13分に、エメルソン選手のこの日2点目のゴールで再びリードすると、このまま逃げ切った。エメルソン選手はJ2得点王独走の18点。チームは、川崎Fが持つ11連勝のJ2記録を更新し、12連勝を達成した。
 前日に行われた大分-浦和の2位3位対決が引き分けに終わったため、勝ち点で浦和に5、大分に12の差をつけた。浦和は新潟戦の大敗のあと復帰した小野選手の効果で仙台戦を快勝、前節休みのあと、満を持しして大分に乗り込んだが、ドローに終わった。大分は札幌にVゴール負けしたあと、新潟、仙台と3連敗し、この日も引き分けたため4試合で勝ち点を11も失った。札幌と直接対決したときはわずか1の差で眼下にいただけに、そのまま差が開いた格好。しかも次節は大分は試合がなく、約1ヶ月間、5節で勝ち点わずか1という重傷状態。4位の大宮もここのところ調子を崩しており、ちらほらと取りこぼしをしているが、大分の大ブレーキがそれ以上で、大分をかわし3位に浮上した。
 札幌は、例年この夏に入る前の時期の調子がいい。単独トップに立って目立つ状態になると、それはそれでかなりチームとしてはつかれるのだが、コンサドーレの場合、このあと多分盛夏になるころには、チーム状態が落ちので、その前のこの時期、稼げるだけ稼いでおきたいというのもホンネの所。特に大分大宮が調子を崩しているだけに、この間にといったところだろう。今後各クラブ補強も行うだろうし、チーム状態が変わる要素は多々ある。
 単独でトップ目に浮いてしまったため、今後はコンサドーレが各チームのターゲットになる。コンサに勝利することが、各クラブの調子上向きのきっかけにされるため、試合運びが難しくなる。札幌が浦和に勝利したことにより選手とチーム、サポーターが自信をつけたようにだ。とりわけ、次節大宮のような、昇格争いのライバルチームでありながら、今ひとつ調子に乗れず上昇のきっかけをつかみたがっているチームには、絶対負けられない。勝ち点差的には負けても余裕があるが、大宮にはもう少し寝ていてもらいたいので、眠りを覚ますような敗戦はまずいということである。