J2寸評 第12節:さあ2巡目だ

 今節からJ2二巡目にはいる。対戦カードは機械的に順番に割る振られているから、今節は各カード開幕戦と同じ組み合わせ。開幕戦は前年の成績を元に上位チームと下位チームが対戦するように組み合わせるのが原則。相手チームの出来不出来がよくわからない開幕戦では、どんでん返しが起きる可能性が高かったが、今年は前評判の高いチームが前評判通り全て勝った。さて一巡終わって、各チームの勢いがわかった上での二巡目はどうなるだろうか。
 コンサドーレは鳥栖を厚別に迎えてのホームゲーム。前回の対戦では快勝したが、鳥栖はその後持ち直し、現在中位グループにつけている。油断のならない相手にかわりない。対するコンサドーレは、この試合になんとビジュ選手が先発出場。二節前の湘南戦で頬骨を骨折し、全治3週間と発表されたのに、10日で現場復帰。恐るべし。また、開幕戦の鳥栖戦で骨折してリタイアしていた播戸選手がこの試合から復帰、ベンチ入りしている。
 試合は、コンサペースで展開。前半はボールを支配して押し気味に試合をすすめるが、エメルソン選手の開始直後のゴールがオフサイドになったりと、なかなかゴールを割るにいたらず。それでも、自殺点で先制点が札幌にはいるところは、今の札幌の勢いだろう。
 後半は、攻勢にでた鳥栖にDFラインを破られ、危ないシーンもちらほら見られたが、最後の砦のところで踏ん張り、同点を許さず。そして、後半17分、交代出場で播戸選手が、開幕戦以来のピッチに立った。試合はこのまま、終わるかと思われたが、終了間際、エメルソン選手がカウンターで抜け出し、追加点。四戦連続、得点王独走のゴールを決めた。札幌は、勝ち点3をゲットし二位の座を守った。
 今節注目していたのは、浦和-水戸戦。水戸は最後まで、くいさがったが浦和が順当勝ち。大分、大宮はそれぞれ順当勝ち。ここんところ、勝ち星に見放されている湘南は、仙台に逆転負け。二度先制するも、最後に逆転を許した。選手も“試合中に悪いことを思ってしまう”とコメントしているように、湘南は完全に悪い流れにのってしまった。俗に言う負け癖である。チームがこうなると、若いチームは立て直すのがかなり難しい(逆に、勢いづくと止まらなくなるのが若いチームの良いところでもあるのだが)。しばらくは迷走しそう。
 今節終えて、上位4チームが抜け出しつつある。このまま抜け出すのか、それとも、下位チームの踏ん張りで混戦になるのか、予想がつかないのがJ2のおもしろいところ。ちなみに今節のおもしろい記録としては、5試合中4試合で、89分にゴールが記録されている。最後の最後までわからないのもJ2リーグ
 札幌は次節、今節試合のなかった甲府と厚別で、今季ホームゲーム初ナイター。ここしばらくは、一巡目で快勝したイメージのあるチームとの対戦が続くが、それだけに、相手チームの予想外の頑張りに、終盤まで点が入らなかったりすると、なぜかあせりだす癖があるのがコンサ。そんなときでも、冷静沈着にゲームを進めて欲しいところである。それと、ここまで失点が少ないせいか、1点とると“ホッ”として、とたんにペースダウンするのは悪い傾向なので、そんなことは4点ぐらい取ってからにしてほしいものである。