【寄稿】チンドン屋さんでの出来事 by ほほさん

99年シーズン出だしでつまづいてしまったコンサドーレ札幌だが、J2リーグ9試合目にして、ようやく札幌に帰ってくる。コンサドーレにとっては、実に半年ぶりの札幌厚別での試合である。その試合を前にして、いても立ってもいられなくなった人がいた。『ニュースの部屋:05/01:サポーター有志によるちんどん屋さん行われる』でも紹介したが、札幌に住む熱狂的なコンササポの高谷光一さん。なんと、厚別開幕の前日に札幌市中心部で、「明日、厚別でコンサドーレの札幌開幕戦がありますよ」と、ボランティアでビラまきをやったのだ。HFCに協力を頼むわけでなく、またお断りするわけでもなく、当然、仕事とは全く関係ない全くのボランティア。本職のちんどん屋さんまでかり出して行ったこのビラまきは、札幌中心部の三越デパート前、大通公園、コンサグッズショップ前とねりあるきました。そして、この様子は、翌々日の日刊スポーツにも紹介されました(サポーターがボランティアでビラまき、と言った感じのニュースだったような気が)。その時の様子(ほほさんの寄稿文)と、高谷さんのコメントが入ってきましたので、紹介します。

高谷さんのコメント:

『今回はみなさまのご協力で大成功で終わりありがとうございました。急な呼びかけでしたが、サポーターの方も12人集まり、1000枚のチラシが1時間でなくなりました。通りすがりの人がチラシ配りを手伝ってくれたり、たくさんのカンパも集まりました。日刊スポーツやSTVテレビも取材に来てくださいまして、やっている私達にもとても楽しい1時間になりました。
さすが本職のチンドン屋さん鐘太鼓は女性、サックスが男性共に20代と思われる二人が仕事とはいえ本当に良くしてくださいました。今回の企画は本当に思いつきだったので、サポーターズクラブなどに所属していない私は本当にできるのか心配でしたが、みなさんの暖かいご協力でうまくいったことは本当に感謝しています。
明日の試合、大勢の方でスタンドが埋まることを楽しみにしています。ご協力本当にありがとうございました。』


チンドン屋さんでの出来事 by ほほさん

高谷さんの呼びかけで、5月1日、ちんどんやさんのお手伝いをしました。その時いろんな人とお話できました。その出来事をちょっと書いてみたいと思います。

まず三越前で始める。買い物客がたくさん私達を見てるので、すかさずビラを配ると、白いレースの洋服の女性に「私、お手伝いしたいのですが。」と言われました。レプリカを着てる私を見て「こんなかっこうでいいかしら。」と。更にその方のお母様らしき女性も手を出して「10枚くらい配りましょうか。」と。二人はしばしビラ配りをしてくれました。

サングラスをした一見怖そうなお兄さんが「何配ってるの。」と来ました。ビラを渡して説明すると「コンサドーレ応援してるんだ、オレ。1回も行った事ないんだ。テレビはいっつも見てるよ。」と言います。是非厚別に来て下さいと一生懸命勧誘すると、「じゃあ今度暇みて行くよ」と笑顔で言ってくれました。…人は見かけで判断できません。

大通り公園のベンチに座ってたお父さんとぼうやにビラを渡したら、「明日行くんだもんね~」…4歳くらいの僕ちゃんも行くとのこと。

歩きながらビラを配っているとハッと立ち止まった女性が「私、厚別は全部行きます。もうチケットも買ってあるの。去年も行ったのよ。」と、目を輝かせて言いました。一緒に応援しましょうね。

ビラを受け取ったおばあちゃんに「コンサドーレ、勝ってもらわないと困るわねえ、ほんとに。がんばってよ。」と、激励される。

私のかつての職場の人に二人も会ってしまいました。「コンサドーレの服着てるから判らなかった。」と言われる(^_^;)。そのうちの一人は職場の研修生らしき外国の方を伴っていて、高谷さん掲げる大旗を指差し「コンサドーレサッポロ、サッカーチーム」と説明すると、この方は、「オー」とすぐ理解したようでした。さすが、サッカーは万国共通。

こんな風に人と話をしながらビラ配りをしたわけですが、私が一番感動したのは誰ひとり「コンサドーレ?なにそれ?」と言う人がなく(最低でも名前は知ってる)しかも現在苦戦してることも知ってる人がとても多かった事。おまけに「負けてばっかりでだめじゃん」とか言われるかと思ってましたが全くありませんでした。コンサドーレは確実に市民に浸透してます。競技場に来ない人でも気にしてます。これって、すごい事でしょう?

地域密着の理念が少しずつ達成されて、やがて大きな実がなる事を夢見て、今はがんばって努力する時だと思いました。よい経験させていただきました。

長文お読みいただき、ありがとうございました