【寄稿】さっぽろ雪祭り雪像制作記 by ささみちさん

時は春、J2リーグが開幕して激戦の真最中。厳しい戦いの続く我らがコンサドーレです。選手やスタッフは死ぬ気で頑張り、サポーターは生活を顧みず(^^)応援を繰り広げています。
さて今回は、毎年小話の部屋で紹介している札幌雪まつりで、実際に雪像制作を体験したささみちさんから体験記を寄稿していただいたので紹介します。こんな応援の仕方もあるんだということを知っていただければと思います。次の雪祭りで、雪像を作りたくなったあなた、是非トライしてみましょう。


さっぽろ雪祭り雪像制作記 「雪像ができるまで」by ささみちさん

平成11年の第50回札幌雪祭りも大盛況のうちに終わりました。数々の大雪像と共に、市民グループによって作成される市民雪像も観光客の皆様に楽しんでいただけました(多分)。来年、コンサドーレ関係の雪像がもっと増えるように願いを込めて 市民雪像を作るまでをまとめてみたいと思います。
市民雪像は全部で約150基あります。今年は50回を記念して過去50年を振り返った作品(テーマ)をあらかじめ選んで作る市民雪像が40基ほどあったので、自由なテーマで作成する市民雪像は112基ありました。私たちのグループも、今年で2回目の市民雪像に参加しました。去年初めて参加したときのことを振り返って書いてみようと思います。

『市民雪像作りに参加しよう!!』

さて、私達のグループが市民雪像に参加したきっかけは、元々雪像を制作したメンバーの会社で冬のレクリエーションとして”雪像つくり”が行われており、「一回くらい、雪像の花道(雪祭り)にデビューしたいものだよね」と冗談半分で誰かが言った事に始まります。それを真に受けた馬鹿が約1名(私)。なんと12月の抽選会で、抽選に当たってしまいました。それが、去年初めて参加を決めた時のきっかけです。何事もやってみるものですね。

『そして、雪像はドーレ君に決定!!』

そんなこんなで雪祭りに参加することになった私達ですが、私達のグループは、普段一緒にキャンプ行ったり、飲んだりしている仲間なので、全員がコンサドーレの試合を見に行ったり、応援したりしている訳じゃないのです。でも、去年初めて参加した時に、何をつくるのかを打ち合わせをし、意見を出し合ったのですが、地元のチームが、念願かなってJリーグにデビューする!!って時だったので「ドーレくんを作って応援しよう!」ということになりました。皆に感謝!感謝!です。

【写真】昨年初めて雪祭りに参加したときに制作したドーレ君の雪像。 大通会場(市民制作小雪像)で制作しました。

  • 雪像タイトル:コンサドーレを応援してもい~んですか?い~んです。
  • 制作グループ名:だらキャン

『市民雪像作りに参加するためにはどうしたらよいのか』

さて、それでは、実際に雪像を制作したくなったら、どうしたらよいのでしょうか。まず、事務局に参加申込をして、抽選会を通らなければなりません。

1.申し込み
毎年12月頃になると新聞やテレビ・広報等で「雪祭り市民雪像の申し込みについて」等のお知らせがでると思います。その申し込み指定日(12月中旬頃)に指定場所へ申し込みを行いに行きます(今年は札幌市役所の会議室でした)。原則的に1グループ1申込みですが、人数が多い場合はグループを分けて複数申込みすることも可能なようです。申し込みにあたっては、「チーム名(仮)」「代表者の連絡先等」「テーマ(仮)」を考えていった方が良いです。もちろんここで記入する内容は仮のものなので、後から変更することも可能です。ここで、申込み用紙の半券を渡されるので、抽選会まで大切に保管します。
2.抽選会
申し込みから数日後、応募者多数の場合は抽選会が執り行われます。受け付けで先日受け取った半券を提出すると、抽選会に参加となります。折角申し込みを行っても、抽選会に出ないとキャンセルとなってしまいます。全員の受け付けが完了すると、抽選会が始まります。後は、ひたすら自分の番号が呼ばれるのを待ちます。ちなみに99年は、112基の雪像に対して600名近い応募がありました。
自分の番号が呼ばれた順番に、好きな場所をとることができます。この時のポイントとしては、なるべく東側の方がお客さんにたくさん見てもらえますし(石山通りを超えると、とたんに通行人が少なくなる)、雪像が北向き(南側)の場所の方が太陽による雪像の傷みが少なくて良いです。場所が決まると、各種提出書類を受け取ります。

『さあ、雪像作りに取りかかろう!!』

抽選会で見事雪像を制作する権利が得られれば、いよいよ雪像制作です。雪像は以下のような感じで制作します。

1.資料提出
まず1月の上旬に、「雪像のデザイン画」「チーム名・テーマ名・テーマ説明等資料」を提出します。市民制作雪像の雪の塊まりは2メートル立方なので、それからはみ出ないように、なるべく大きく作れるようにデザインを考えなければなりません。ここで記入したチーム名、テーマ名、テーマ説明は、雪像の看板にそのまま記載されます。
2.雪像作成講習会
提出した資料をもとに、1月中旬に雪像作成講習会が開かれます。講習会では、雪像デザインを基に、粘土で雪像のミニチュアを作成します。粘土と粘土へらが支給されるのですが、カッターとビニール袋(ミニチュア持ち帰り用)を持って行ったほうがいいみたいです。講習会には、雪像作りの先生という方がおり、作ったミニチュアを、この先生に見ていただき、デザインや雪像を作る上でのアドバイスを受けます。
3.雪像作成
以上のステップを終了すると、いよいよ、待ちに待った雪像作りに取りかかります。雪像制作には、雪祭り開催の1週間前からの5日間が当てられます。朝10:00から夜10:00までが雪像作りの可能な時間です。ただ、私たちのような仕事持ちの場合、平日の仕事帰りに集合するのはかなりきついので、土日の2日間で作り上げることにしました。
制作に当たって、事務局より、スコップ(剣先)2本とスノーダンプ、バケツ、なた、梯子等が貸し出しされます。作業初日は、まず雪の塊を粗削りすることから始めるので、鉄のスコップを持ち込んだ方が作業が速く進みます。のこぎりもあると、粗削りが楽に進みます。電動のこぎりを使っているチームもあり、それはそれはうらやましかったです。
雪の塊は、思いっきり固めてあるので、かなりがんばらないと削れてくれません。もれなく、背中と腰がやられますので、日ごろ運動不足の方は要注意です。雪像制作に入る前に、雪かきとかして身体を鍛えておきましょう。粗削りが終わったら、形を整えていきます。ここでは芸術的センスが要求されます。
細部も完成したら、雪像の表面に、通称セメント(汚れていない雪に水を調合してくっつきやすい状態にしたもの)と呼んでいるものをぺたぺたくっつけていきます。これが、夜の冷気でしばれてくれてきらきら美しい雪像が出来上がります。以上で、雪像が完成です。粗削り以降の作業は、あまり身体を動かさないので、寒くない格好が必須です。
4.雪はらい・補修
期間中、会場係の人が定期的に雪はらいをしてくれますが、雪像の数も多いので、細かい部分の雪まできれいにはらってくれません。行ける人は、雪はらいしに行きます。一応、雪祭り開催後の中日に”雪像補修日”があり、融けてしまった部分の修復を行うことができます。

『雪像作りは面白い!!』

寒かったり、日頃運動不足だと体が痛くなってしまう雪像作りですが、制作してみて、悪かった思い出は、あまり思い浮かびません。
雪像制作の途中で、「似てる」とかいわれると、それだけで有頂天になってしまいます(今年は岡田監督だったので)。地元の人だけでなく、雪祭りを見に来た、日本全国のいろんな人から話しかけられました。そんな時は、雪像の説明をしたりと、作っている最中も結構忙しいです。もちろん最後に、”コンサドーレを応援して下さいね”の一言も忘れずに、伝えておきました。

【写真】今年の雪祭りで制作した岡田監督の雪像。 大通会場(市民制作小雪像)で制作しました。

  • 雪像タイトル:世紀末救世酒伝説1999年ドーレの大王に北の大地を試してもらおう!
  • コメント:コンサドーレはステキです。コンサドーレのサポーターもステキです。今年も応援します。
  • 制作グループ名:だらキャン5

[以上記事:ささみちさん]