第77回天皇杯始まる

 アマチュアからプロまで、サッカーのクラブチーム日本一を決める第77回天皇杯全日本サッカー選手権が、全国各地で始まった。来季J昇格が決まっているコンサドーレ札幌は、セレッソ大阪やベルマーレ平塚がかつてそうだったように、この天皇杯でひと暴れして、その存在を充分にアピールしておきたいところである。コンサドーレの一回戦の相手は、鹿児島実業高校(鹿児島県代表)。鹿実は、九州リーグに所属する地元社会人チームのヴォルカ鹿児島を破っての初出場である。
 鹿実の地元、鹿児島県鴨池競技場で行われた試合。快勝が予想されたが、全国高校大会常連校の鹿実の堅い守備にあい、前半から苦戦。三度、ゴールネットを揺らすも全てオフサイドの判定。それでも、前半30分左からのコーナーキックを渡辺が頭で決めて、一点先制。ところが、後半12分、バルデスが相手DFを蹴ってしまい、ラフプレーで退場(まるでアルシンドみたい)。選手の数で優位にたった鹿実イレブンは、ここから猛反撃。前半は1本しか打てなかったシュートも、コンサゴール前にいいボールが上がるようになり、チャンスをたびたび作る。ついには後半30分、右からのセンタリングにゴール正面であわせた鹿実FWのヘティングがコンサゴール右隅につきささってしまい1-1の同点にされてしまう。高校生チームの得点は、昨年の徳島商高が大分トリニティから奪った1点に続く快挙。コンサにとっては、屈辱的な1点。それでも、勝ちを宿命づけられているコンサドーレは点を取らなくてはならない。なんとか、後半40分に、後藤が抜け出し放ったシュートのこぼれたところを吉原が押し込み勝ち越し。試合はこのまま終了し、コンサドーレの二回戦進出が決まったが、試合終了後のコンサイレブンの顔に笑みはなかった。
 今日の試合、相手が高校生のためか、あるいは厳冬更改でチームのモチベーションが落ちているのかは、わからないが、選手一人一人の動きが悪かった。鹿実イレブンの健闘だけが目に付いた試合であった。コンサドーレ札幌の今後が心配される。二回戦は、広島大学(広島県代表)を3-2で破ったアステール青森(青森県代表)と、12/7に姫路で対戦する。アステール青森は、昨年コンサドーレが天皇杯二回戦(室蘭)で対戦した五戸町役場サッカークラブ(青森県代表)を母体として、今年5月に誕生したクラブチーム。2年連続の同カードとなる。昨年は、鋭い攻めを見せていただけに、コンサドーレの状態が今日のようなできだとどう転ぶかわからない。
 またこの日、札幌から出場した北海道代表の北海道電力は、水戸ホーリホックに0-3で破れた。他のJFLチームでは、デンソーが青学大(東京都代表)に0-1で破れた他は順当勝ちを納めた。