[第十四節]in札幌:ブランメル仙台戦

 今シーズン前半戦の最大のやま場、ブランメル仙台戦。七夕の日に、七夕の里からチームを迎えて試合をするのも何かの縁か。この試合勝って、一位のチームとの勝ち点差7点のままくっついていけるか、負けて10になるかは、後半戦ひいてはJリーグ昇格に向けても大事なところ。

 先発メンバーは以下のようになりました。

GK:白井
DF:村田、ペレイラ、中吉、後藤(静)
MF:朝倉、浅沼、後藤(義)、木島
FW:加藤、金
 今日こそは完封だ、GK白井。DFは初先発の中吉がペレイラと真ん中を担当、4人のラインディフェンス、MFは初登場の木島を攻撃的ミッドフィルダーに、FWは加藤が左、金が右のツートップ。フォーメーションは、札幌、仙台は共に4-4-2。

 今日はPK戦でも、延長Vゴールでも、乱戦で11-10になっても、なんでもいい勝ってくれ。という気持ちを持ちながらの観戦となりました。観衆は10,024人強。いつもの倍近く入っているせいか、観客席はぎゅうぎゅう。今期初めて、大台を突破しました。
 いよいよ試合開始。12節日電戦、13節西濃戦と下位チーム相手に苦戦が続いているところから、立ち上がりが心配されたコンサドーレでしたが、相手に合わして試合を行うというチームカラー?は今日も健在。これまでの苦戦がうそのようなすばらしい立ち上がり。強敵相手ということで、引き締まったプレーが続きます。とりわけ中盤からのチェックが良く、プレスディフェンスが機能していたような。
 そうこうしているうちに、前半23分くらい。左にゴール前から流れたボールを村田がとって、ゴールライン付近まで得意のドリブルで切り込みます。そこから絶妙のセンタリングが、逆サイドにつめていた浅沼へ。のけ反りながらもヘティングシュートをゴール右隅にきっちり決めます。浅沼はうれしい今季初ゴール。
 今日はいけるかもしれないなどと思っているうちに、前半28分くらい、後藤からのロングパスを受けた加藤がドリブルでゴールめざして一直線。バックス一人を見事な技で抜いてキーパーと一対一。これを決めて、何と仙台相手に2-0。今日の加藤は、前節西濃戦で今季初ゴールを決めて吹っ切れたか、絶好調。再三、左サイドを切り崩しチャンスを作ったり、ゴール前で決定的なシーンを作ったりします。あと、2、3点決められているところを決められなかったのはいただけませんでしたが、加藤の裏から上がってくる左サイドバックの村田とともに、仙台ディフェンス陣に相当のプレッシャーをかけていたのは間違いありません。
 スコアだけ見れば快勝のペースですが、これで黙っている仙台ではありません。決定的な場面を演出します。前半35分くらい、オッツェが左サイドからゴール前に絶妙のセンタリング、ゴール前の仙台選手二人ほどのマークがずれてどフリーになっている。あかんと思った瞬間、白井も反応できないほどの見事なヘッドがはなたれ、やられたと思った瞬間、そこにはゴールバーが。ゴールバーにあたったボールは真下にはね、何とかクリア、失点をまのがれます。今日はついてる。
 その後は、加藤が二度ほどキーパーと一対一になるシーンがありましたが、そのまま終了。コンサドーレペースの前半でした。

 後半開始。コンサドーレ札幌は選手交代なし。今日は、先発選手全員の出来が非常によかったので、高橋監督も交代させられなかったのでしょう。さて仙台はいつものようにセンターバックのリトバルスキーをミッドフィルダーにあげて、オッツェのワントップにする変則的4-5-1の攻撃的フォーメーションに変えてきます。後で考えると、二点目決まったころから変っていたような気もしますが、二点目を取って浮かれていた私は気がつきませんでした。後半始まってしばらくして、ラフプレー気味のファールが続き、プレーがラフになってきます。こういうとき、コンサドーレは熱くなって、点を決められたりすることが多いのでまずい展開。案の上、仙台ペースになってきます。後半12分くらいペナルティエリアすぐ外でFKを与えてしまいます。蹴るのはリトバルスキー。きれいなボールがゴール右隅へ、白井の手も届かずやられたと思ったとき、そこにいたのはゴールキーパーならぬゴールバー。またもや、バーに助けられます。やっぱり、今日はついている。
 その後一進一退の展開。後半23分くらい、オフサイドトラップをかけそこなった仙台ディフェンス。木島がどフリーでペレイラからのボールを受けます。そのままドリブルでキーパーもかわし、うれしい今季初ゴール。これで3-0、勝ったと思いました。後は、試合終了の笛が鳴るのを待つだけ。後半38分くらいに金に替わって川合登場。試合終了までコンサドーレペース。というわけで、今日は3-0で今季初完封勝ち。強敵仙台を相手に開幕以来の3点差をつけての勝利。北海道では負けなしの5連勝。

 今日の試合は、安心してみられました。選手一人一人がきっちり機能していたし、何より中盤、前線で、ボールをカットする場面が多かったのが、チームの状態の良さを表していました。中盤でゾーンプレスのようにボールを奪うことができたのが、効果的なカウンター攻撃を生み、試合を安定して運ぶことができたのだと思います。前半戦最後のやま場を快勝で飾った札幌は、前半戦を一位と勝ち点差7でおりかえすことができそうです。もちろん、次節NTT関東戦を落とさないことが条件ですが、次節の結果次第では4位もありえますし、3位のチームも1ゲーム差以内に捉えることが可能となってきました。開幕してしばらくは苦戦の続いた札幌でしたが、後半戦始まるまでの長い中休みに来期のことを話さないですみそうです。何よりも大きい勝利でした。

あ~、今日はビールがうまい。

(記事:二上英樹)

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