[第十二節]in札幌:日本電装戦

 今日は勝ったものの、う~ん、といった内容でした。

 先発メンバーは以下のようになりました。

GK:白井
DF:太田、ペレイラ、村田、後藤(静)
MF:朝倉、浅沼、後藤(義)、オテーロ
FW:加藤、金

 久しぶり登場の太田が右サイドバック、DFは4人のラインディフェンス、MFは朝倉がボランチのダイヤモンドフォーメーション、FWは加藤が右、金が左のツートップ。
 前半開始早々から、コンサドーレは絶好調。引き気味に守る日本電装は5-3-2。バックスの二人(22番)が金に、(5番)がオテーロにマンツーマンでぴったりくっついた布陣でした。この日本電装に対し、前半開始から押しまくります。開始7分、太田から縦にでたパスを正面からオテーロがシュート。これがバーに当たって跳ね返るところに再び走り込んだオテーロがヘッドでゴール。あっさり、一点目を決めます。その後もコンサドーレぺース。前半15分くらい、ほとんどが日本電装陣内に攻め込んだゴール前、右にドリブルで抜け出たペレイラがシュートゴール左隅に決まります。これで2-0、今日は調子がいいぞ、ゴールラッシュの予感。
 でも、試合は思わぬ方向へ。コンサドーレがボールをほとんど支配するも、得点するに至らず。前半38分くらいのゴール前、オテーロのヘッドも、バーをたたく不運。コンサドーレの調子が良かったのはここまで。楽勝の雰囲気と、ボール支配率の高さに油断をしたのか、足がすっかり止まってしまいます。カウンターねらいの日本電装、終了間際、左から攻め込んだ日電の選手がゴール右へシュートのようなパス、これにチョコンとあわされ、1失点を喫してしまいます。バックスの数は充分いての失点だっただけに、油断あるいはミスとしか言いようのない失点。今日は無失点に押さえてくれると思っていたのに。これでちょっとは目が覚めたか、コンサドーレ猛攻をかけます。金のゴールもオフサイドになってノーゴール、そのまま2-1で前半終了。

 後半は後藤(義)にかわって新明が登場。後半開始から、なぜかしらん日電ペース。何となくまずい展開。後半15分、このペースを変えるために、加藤にかわって川合を投入。これは前方にスペースがなくなって、加藤が切り込めなくなっていたのでなかなかいい交代だ、自分一人で納得。金とのツインタワーに期待が集まります。が、何度かあるサイドからのセンターリングの精度の悪いこと。村田など左サイドを絶妙のタイミングで駆け上がるんです(本当にいいタイミングで上がっていくんです)が、全然ゴール前のフォワードに合いません。右からの押し上げも同様。加藤、何故君はいなくなってしまったんだ?。攻め上がるも、ゴールの決まらない展開にチーム全体の集中力が切れたか、なんか全体に倦怠感の漂う試合展開。そうした時に二点目の失点を喫します。典型的に、集中力が切れたような点のとられ方。まず、どうでもいいファールで、センターサークルでFKを与えます。おもいきり蹴られたボールを、コンサDFが触れたけど空振り、CKになってしまいます。そのCKはショートコーナーで、左サイドでコチャコチャしているところを、押し倒してしまいます。ペナルティエリアのすぐ外でのFK。イヤーなところでのFKだと思った瞬間、蹴られたボールは、GK白井触れるたもののこぼれてしまい、蹴り込まれてしまいます。この一連の展開の中、共通していたのは、足が止まってしまっていたこと。

 後半35分くらい、オテーロに変えて吉原投入。えっ、確かにオテーロ後半調子が良くないけど、ゲームメイクは誰がするんだ?。入った吉原は右トップへ、そこにいた川合がオテーロの位置へ、でも実質は川合がやや下がり目のセンターフォワード(これも変な表現だが)のようなスリートップのようなフォーメーション。案の上、なんか攻撃陣があたふたしているような、みんなが一箇所に固まってしまって、うまく展開できなくなってしまいました。サイドバックが駆け上がるも、センターリングが全然FWにあいません。それでも猛攻をかけますが得点できず。そうこうしているうちに、後半も終了。またもや、延長戦。

 後半に入っても、何となくぱっとしない展開。鳥栖戦のときのように、点が入るのは時間の問題といった雰囲気はありません。もしかしたら、PK戦で日電に負けてしまうのかといったような雰囲気。それでも、最後はFWが決めてくれました。中央で、ボールをもらった川合が、右の吉原へパス。吉原がきれいにセンタリングを上げて、逆サイドの新明の頭にどんピシャ。これを日電GKがナイスセーブではじきます。しかしながら、そのこぼれ玉を相手DFがクリアミス。走り込んだ川合が、とにかく押し込んだぞゴールで、Vゴール。

 今日のコンサドーレの試合は勝ったものの、やっぱりいただけなかったです。はっきり言って、凡戦だったと思います。相手が最下位のチームだったのに、延長までいったからというわけではありません。90分間全体を通して、ピーンと張り詰めたような空気がなかったです。選手一人一人に、この一つのミスがチームのピンチにつながるんだといった気迫のようなものが感じられませんでした。全体に足が止まっていたし、声もでていませんでした。あのペレイラでさえ、延長に入って集中力の切れたようなプレーが出始め、見ている方をはらはらさせてくれました。家路を急ぐ人達がVゴールで勝ったにも関わらず、首をかしげながら口々に「なんだかなあ」と言っていたのが、今日の試合内容を物語っています。

 プロなんだから相手がどんなチームであれ(強かろうが弱かろうが)、90分間は気を抜かず集中したプレーのできるようなチームになってほしいと思います。今日は仙台戦に向けて課題の多い試合でした。

(記事:二上英樹)

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