[第四節]in山形:モンテディオ山形戦

「永井謙一郎さんの観戦記」

『山形発「誇りあるドロー」』

永井です。東京からこんばんはです。 今回は東京・山形間は深夜バスでの移動と、しんどい旅程でした。 この山形戦はあまりの遠距離のため、 前節まで頑張ってくれた関東の東芝サポーターの方々も 残念ながら遠征は断念したようで、当日札幌のサポーターは7、8名ほどで タイコはわずか1ケだけ。ひとりで10人分の声を出さねばならないという あまりの少数に、我々は改めてアウェイの心細さってヤツを痛感しました。

さて、あの試合です。現場にいた我々は「誇りあるドロー」だと認識し、 胸を張って顔を上げてスタジアムを出たことをここに強く伝えたいと思います。
そりゃあ冷徹を装って 「GKへの、意思疎通のない半端なバックパスがなぜ多い?」
「途中INした長身の川合が活きてなかった。ヘディングの競り合いを コータに任せるのはあまりに気の毒」
「山形は途中から10人だったのに・・・山形のパス回しは随分組織的だった」
「ペレイラはゲームメイクのポジションに上がっていた。 だからDF陣の指示は白井が積極的に出すべき。 だが彼はその任務を怠ったのでは? そろそろ茶木待望論が勃発か」
と述べたっていいでしょう。

しかし、後半最後の1分と少ないロスタイムで2点をとって追いついたあれは、 今季の日本サッカー史上最高の試合だ! と現場組は抱き合い、吠え、夢を見たのです。 あの輝く3、4分の間、我々は世界で無敵だったのです。 今でも不思議ですが、ロスタイムに突入してからも、 「もう1点取れる!そのための時間は 俺達にあらかじめ与えられているんだ!」 と、点が取る確信が間違いなく我々にはあったのです。 ペレイラが2点目をブチこんだ時、誰の顔にも 「まさか!?ホントなの」などの不意を突かれた表情ではなく、 「当然だ!俺達はその2点目を祝福するために来たんだから」 と自信にみなぎっていたのです。それほど無敵の気風を醸し出していたのです。

PK戦?あれは誰も何もできない不可侵の領域ですからねえ。 我々は静かにボールの行方を見守るしかありませんですよ。
もう一度書きます。あの試合は札幌の栄誉ある戦い、誇りあるドローでした。 札幌のクラブイヤーブックに永遠に刻むべきベストマッチでした。 終了の笛まで決して屈さないことの素晴らしさを表現してくれたのですから。

吉成はまったくスゴかったですねえ。 身長172cm?俺には3メートルに見えましたぜ。逞しいですよ、彼は。 吉成がINしてから、CKは全部彼が蹴ってましたね。 コータ、甲介、そして吉成かあ・・・たいした10代ですよ。 ホント、前線に楽しみな選手がワンサカですね。 こうなったらかつてフジタだった頃の平塚みたいに 4点取られても5点取る全員攻撃サッカーを目指してみるのも一興かも。

ともかく札幌は大丈夫です。未来は明るい。未来はとても明るいのです。
(記事提供:永井謙一郎さん)

『8月25日、お願いがあるのですが』

5月12日、我々札幌サポーターと山形サポーターは 山形県陸上競技場のメインスタンドを左右に分け、 それぞれの愛するクラブをサポートしました。 試合終了後、山形サポーターと我々は相互に エールの交換を行い(先に山形サポーターが我々にくれました)。 さらに、我々の側に山形サポーターの方々が歩み寄って来てくれて、 その日のお互いの健闘を握手で称えあいました。 その際、短い話をしたのですが、山形の皆さんのうち数名は、 札幌に行くつもりとのことでした。
そこで札幌近辺在住の皆様にお願いがあります。 山形の皆さんは少数の我々をとても暖かく称えてくれました。 つきましては、8月25日の札幌対山形戦で 山形サポーターが遠征して来ているようでしたら、是非、試合後は 遠方から飛んできた彼らを暖かく称えてあげて欲しいのです。 8月25日は私は札幌に行けそうにもないので、札幌サポーターの皆さんに どうかお願いしたいと思います。
(記事提供:永井謙一郎さん)

コメント:サッカーを愛するサポーターとしては是非こうありたいですね。札幌に来る山形サポーター達に対してだけでなく、北海道でのホームゲームに、本州方面からやってくるいろんなチームのサポーターみんなに対して、我らがコンサドーレ札幌サポーターはこうありたいと思います。
(コメント:二上英樹)


「二上英樹の観戦記」

『テレビ観戦記』

コンサドーレ札幌とモンテディオ山形戦。地元札幌では、NHK教育テレビが生中継してくれました(ちなみに札幌での視聴率は6.2%だったそうです)。そこで、山形に行けなかった私はテレビ観戦と相成りました。
アルシンドが出場停止。パベル、オテーロがケガ。と、ペレイラ以外、外国人助っ人が軒並み出られなくなったこの試合。先発メンバーは以下のようになりました。
GK:白井
DF:渡辺、ペレイラ、平岡、村田達
MF:浅沼、土田、財前、小野
FW:吉原、新明
FW吉原の相手は新明、オテーロの代わりのゲームメーカーには財前、DFには平川の代わりに今期初登場の村田といった感じでした(今日の村田は守備に攻撃に非常に良かったです)。なんとか、流れを変えようという高橋監督の苦心が感じられます。
しかし試合が始まってみると、いきなり山形に先制パンチを食らってしまいます。開始3分、DF渡辺がボールを持って上がろうとした矢先、高橋にボールを奪われカウンターをくらいます。あれよあれよとライン左側を駆け上がりシュート。これがペレイラの足に当たり、オウンゴールとなってしまいました。これまでの札幌の悪い流れを感じさせる不運なゴールで1失点。その後、どっちつかずの展開が続きます。
後半初めから、札幌は小野に変えてケガあがりのオテーロを、新明に変えて川合を投入して流れを変えようとします。さらに財前に変えて吉成を投入します。同点にしようと攻め上がる札幌は全員が上がりめのフォーメーションを敷きます。これに対して山形はカウンターをねらいます。後半18分、二枚目のイエローで山形の高橋が退場、これで札幌に流れがと思った矢先の後半22分、山形が自陣から出したスルーパスがキーパー白井とDF平岡の間にころがり、白井がクリアしようとしたときに交錯した平岡にボールが当たってしまいます。とんでもない凡ミス。そのこぼれたところに走り込んだ広沢のシュートで2点目を失います。私はテレビの前でなんてこったと天を仰いでしまいました。
2点目を決められこれで万事休すかと思われた札幌でしたが、それでも攻めまくります。山形は全員自陣に引いて守ります。ロスタイムに入った後半44分、右サイドをドリブルで駆け上がった吉原からのセンタリングに村田があわせます。見事決まって1点差。さらに続いて、45分ゴール前の混戦から左サイドに流れたボールを平岡が中にほうり込みます。これにペレイラがあわせて同点。あれよあれよというまに追いついてしまいました。ロスタイムに決められたため、当然、山形応援団からは審判に対してブーイングの嵐。このまま、Vゴール方式の延長戦へ。
延長戦は札幌が押しまくるも、足を引きずりながら守る山形の堅守に阻まれ、決められず、PK戦へと決着の場が移されました。PK戦は結局3-5で負けましたが、後半ロスタイムで2点追いついた粘りは評価できるでしょう。ただ、それにしても、守備陣は見ていてはらはらされどうしでした。もう少し、安定感がでないものかと思いました。
(記事:二上英樹)

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