J1寸評 第8節:当面の敵を直接下して大事な勝ち点3

札幌1-0東京V in 東京スタ

引き分け挟んで2連勝と、いい状態で東京スタジアムに乗り込んだ札幌。残留を決めるためにも、今日の対戦相手東京Vはなんとしてもたたいておかなくてはいけない。現在年間順位15位の東京V、このチームにかわされない限り、札幌はJ1残留が決まる。今日の試合は引き分けでも十分、勝利が手に入ればこの上もない、といった位置づけの試合となった。
年間順位こそ下位に沈んでいるものの、2ndでの順位はここまで札幌より上。戦い方のチームカラーも伝統的に上手な(うまい)サッカーのヴェルディ。ここ最近はそれが勝負強さに結びついていないところが、低迷の原因の一つなのだが。そんな東京が試合を支配する。対する札幌はウイルとビジュが累積警告でこの日の試合は出場停止。でも、そんな札幌が勝負強さを見せる。前半6分、左サイドから切れ込んだアダウトが技あり(トリッキーなという意味じゃないですよ)のシュートをたたき込む。ゴールに向かってのまっすぐのドリブルから、まったく左足を振り上げず、ドリブルのタッチと同じように、いきなりトゥーキックで振り抜いた。これはキーパーが一番タイミングの取りにくいシュートで、見事GK本並の脇の下を抜いていった。
画像で見ただけだけど、“見事”の一言につきる。当然、蹴る前に足を後ろに大きく振り上げた方が、威力のあるボールは蹴れる。反面、GKには今から蹴るぞと宣言しているようなもので、シュートを放つ前からGKにわかってしまい、タイミングを合わせられやすい欠点も併せ持つ。ところが、このアダウトのようなシュートは、蹴られるまでシュートであることがわからない。ゴールに向かってドリブルしているとき、走りながら足先でボールをドリブルでちょこっと前に出すように突っつく振りをして、いきなり振り抜く。当然そのときはゴールに向かって走っているわけで、その運動エネルギーをうまくボールに乗っけて勢いをつける。威力は大きく振りかぶるシュートに比べ無いから、コースはきちんとつかなくてはいけないし、結構難しい。ドリブルや切れ込むのが好きだったエメルソンも、この手のシュートを結構放っていたように記憶する。いやあ、ホント見事なシュートだった。
さて、札幌はこの虎の子の1点を守りきり、1-0で勝利。試合内容が試合結果に反映しない試合だった様だけど、長いシーズン、それは良い方にでることもあるといった試合だったのかも。とにかく、残留を決めるための当面の敵である東京V(年間順位15位であるため)を直接対決で下し、大きな勝ち点3を手にれた。
今節注目は、首位決戦となった磐田-鹿島戦。鹿島を2-0で下した磐田が、得失点差でかわし、鹿島を首位から引きずりおろした。C大阪がG大阪との大阪ダービーを制し、2ndの初日をだし、連敗を7でストップ。このまま上昇気運にのれるかどうか。ブービーの東京Vは札幌に負けて年間順位変わらず。札幌はこの日の勝利で4チームをかわし、2nd順位を一気に10位まであげた。浦和が横浜に負けて5連敗。
今節の勝利で、コンサドーレの年間勝ち点は30となった。当初、下位に鹿島、横浜、東京Vなどの名門チームが沈んでいただけに、J1残留のボーダーが大きくあがるものと見られていたが、ここに来て例年と同じくらいかやや高、やはり今年も勝ち点30がJ1残留の目安となってきている。その30点の大台にたどり着いた。残り試合7。岡田監督の年間勝ち点39というシーズン目標もいよいよ見えてきた。
ただいまのコンサドーレ札幌の年間順位は9。残留決定までのマジックは勝ち点にして9(対象チームは年間順位15位の東京V)。