J1寸評 第1節:J1リーグ再開!! 

鹿島2-1札幌 in カシマ

3週間のインターバルを挟み、J1リーグの2ndステージがスタート。リーグは、再び戦いの場に舞台を移した。1stステージと同様、アウェイでの開幕戦となったコンサドーレ札幌は、W杯向けに改築され今季リニューアルオープンしたカシマスタジアムにて鹿島アントラーズとの試合に挑んだ。
けが人続出で主将野々村と得点王ウイルを欠く札幌は、秋田と中田を出場停止で欠く鹿島と互角の展開を見せる。鹿島の新外国人DFアウグストにゴール正面からFKを決められ先制されるも、鹿島の誇る代表FWコンビ、柳沢、鈴木には仕事をさせず。逆に後半に入って和波がカウンターから、自慢の俊足を生かした長いドリブルで切り込み、そのままゴール。同点に追いついた。しかしながら、試合の流れを決める追加点は鹿島の方に入り、札幌はこれをひっくり返すことができず、試合終了。1-2で黒星でのスタートとなった。
今節開幕戦は、全国7つの会場で試合が行われた。磐田が中止になった世界クラブ選手権に本来この時期に出場していたはずだったため、清水-磐田の試合のみ9/1にスケジュールが組まれている。
2ndステージの序盤の見所は、リスタートしたリーグ戦の各チームの戦いぶりにある。1stで監督交代したクラブが4、誰もがチームの柱と認めていた選手が移籍・引退で抜けたチームが3、選手補強したチームが多数。これらのチームの戦いぶりがまずはの見所。そして新監督の手腕と補強選手の活躍ぶりも当然含まれている。今節札幌は鹿島の新DFアウグストにFKを直接決められたが、こういったびっくり箱的な活躍がみられるのもシーズン序盤の見所。その選手をよく知らない序盤は対策の練りようがなく、こういったシーンが他の試合でもよく見られる。節が進むにつれ、各チームが対策を練ってくるので、尻窄みに終わることも多いのだが、序盤では有効だ。スタ-トダッシュを決める要因の一つではある。とりわけ飛び道具を持っている選手は、活躍の度合いが大きい。札幌はこれに見事にはまってしまった。(逆に1st序盤は、札幌の戦いぶり自体を知らないチームに対して札幌がアドバンテージを発揮していたのだけれども)
そしてステージ通じての見所の一つは優勝争い。磐田が、独走した1stステージのようにこのまま2ndも突っ走って初の両ステージ制覇の年間完全優勝を果たすのか。それとも巻き返しを虎視眈々と狙うその他の優勝候補のチーム達が意地を見せるのか。活躍を期待されながら沈んだチームや選手達ははたして再び浮かび上がってくるのか?。
そしてもう一つの見所であり、一番の見所といえば、例年以上に激しくなりそうな残留争いの方。順位表が全体に下の方へシフトしてしまっている今年、下位チームの勝ち点差がそれほどない。また、名門チームが沈んでしまっているのも、今年の特徴。最終節15節が終了したときに笑っているチームは、そして泣いているチームはどこだろうか。コンサドーレは1st8位とはいえ、ブービーまで勝ち点で10、わずか4試合分のアドバンテージしかなく、これは開幕連敗が続けば、あっという間に食いつぶしてしまう程度の差だ。
そういった視点から見ると、まず優勝争いのほう。磐田、清水は今節お休みなので除外しておいて、1st二位市原はV東京に鮮やかに逆転勝ち、1stの勢いはまだまだ健在で、初優勝の可能性もあながちないともいえない。開幕戦に先立ち同じ週の水曜に行われたナビスコカップでは、磐田との対戦で引き分けに終わっているのも見逃せない。大黒柱の抜けた両チーム、名古屋-G大阪の試合は名古屋に軍配が上がり、監督交代で2ndに初優勝をかける柏はF東京にドロー。試合巧者でシーズンの終わりにはきっちり帳尻を合わせてくる鹿島は札幌を下し、昨年の再現をねらうといった案配。
逆に下位争いの方は、1st最下位のV東京はねらい通り先制点をあげるも、退場者を出し自滅、市原に逆転負けした。ブービーの横浜Mは福岡に延長勝ちし、上昇気配がただよう。横浜Mはもともとタレントが豊富ななだけに、一端上昇の気運にのればこんな順位に沈んでいるチームではないのだが(ただし主力のけがなどない限り)。1stの13位14位決戦となったC大阪-広島戦は、6-2で広島が爆勝。C大阪は課題の守備の悪さが相変わらずのまま。現状では、C大阪と東京Vはかなり先行きが危ない。C大阪はてこ入れした守備強化が全く機能しておらず、対戦相手の順位を鑑みるに完全に尻に火がついた。一方、V東京は市原相手なので、何ともいえないところだが、最下位から上昇するきっかけというか気運が一向に感じられない。選手層とか戦いぶりをみるといいところまではいっているのだが、いつもあと一歩。へたをすると、そのままシーズンが終わってしまいそうに見える。
札幌にしても、開幕戦を勝利で飾り勢いに乗って躍進した1stと逆に、開幕黒星でスタートとなった2nd。スコアもちょうど逆なら、試合展開も同じような逆となった。これが2ndの前途を暗示するのかどうかは不明だが、いずれにしても厳しいステージになるのは衆目の一致するところ。とにかく勝ち点を地道に積み上げていかなくてはならない。さて、その札幌は次節、FC東京を札幌ドームに迎えての一戦。まだ勝ち星を挙げていないドームでの白星が早くほしいところ。シーズン終盤のクライマックスに向けて再始動したリーグは、泣いても笑っても残り半分。