J2寸評 第30節:今季15試合目の無失点試合

 8月最後の試合は、アウェイで大宮と、8月の勝ち越しをかけて一戦。この日の試合、野々村選手がが前節一発レッドで退場したのをうけて今節は出場停止。かわってルーキー山瀬選手が今季初先発。試合の方は、試合が進むに連れて、攻撃的になるいつものパターンで、後半に播戸、黄川田の両選手が快心のすばらしいゴールを決め、2-0で完封勝ち。これで15試合無失点というJ2新記録を達成した。前半はポストをたたく危ないシュートなども打たれたが、これが決まらないところが、今のコンサドーレの強いところ。この勝利で、4位大宮と、試合の無かった3位大分との勝ち点差をさらに3ひろげた。
 この日の対戦相手の大宮、昨年秋口から俄然チーム力が上がって今年は充分上位をねらえるというシーズン前の前評判だった。昨年はシーズン終盤27節の大宮との対戦で敗れてから三連敗、これで昇格が絶望的になったきっかけを作ってくれたチームである。最後の対戦も負けて、あまり良い印象のない大宮戦である。そのため、要注意チームの一つではあったのだが。
 下馬評通り、順位は開幕当初からトップグループにぴったりつけているのだが、さらにもう一つ上がってトップグループに食い込むというところまでいっていない。それもそのはずで、大宮の対戦成績を見てみると、札幌、浦和、大分のトップスリーに今季は一度も勝っていない。見事に全敗である。その代わり、下位チームにはけっこう強く、札幌や大分が苦戦する湘南などには完勝しており、強いチームに弱く、弱いチームに強いというのがはっきり成績にでている。普通、実力の同じくらい(同じ順位あたりにいるチーム)のチームとは勝ったり負けたりして、また下位のチームであって、相性の悪いチームには取りこぼしたりするもの。こういうことは珍しい。あまりにも見事に、トップスリーに全敗しているので、四廻り目では当然一矢は報いたいだろうから、昇格レースの鍵を握るチームになるやも、と思っていたのだが、どうもそうなりそうはない。大宮の出来以前に、一敗が命取りになるような展開から離れたものに昇格争いの展開がなりつつある。
 今節他会場の試合は、浦和が難敵山形に逆転勝ち、大分は休み、湘南は新潟に負け、かわって水戸に大勝した仙台が5位に躍進。鳥栖、新潟が勝利を収め、順位を上げた。連敗中の最下位甲府はどうしても勝ち星がでない。大勢が決まりつつある上位陣とは違い、中位は順位争いが激しい。この位置で順位が一つ上がった下がったからといってどうなるものではないのだが、だからこそ、チームとして目的を持って試合に臨めているか、モチベーションを持ち続けられているかどうかが大事。チームとして残りのシーズンを無意にすごすのか、それとも有意にすごすのか、各チームの姿勢がはっきりしてくるこの頃である。
 次節は、鳥栖をホーム厚別に迎えての試合。三廻り目の試合もあと二試合。その後は、14節以来の休みが入り、最後の四廻り目へ突入する。