J2寸評 第19節:台所が苦しくても貴重な勝利

 今節は、今季唯一の黒星を献上している山形とアウェイでの対戦。きっちり勝って雪辱をと行きたいところだが、コンサドーレの台所事情は最悪。怪我だ出場停止だ、などで、ベストメンバーを組めず、とりわけ中盤の選手の駒不足は深刻で、岡田監督苦心のメンバー構成となった。これまでの対戦歴でコンサドーレの相性の悪い地が二つあるがその一つが山形(もうひとつは小瀬)。難しい試合が予想されたが、それでも先制点はコンサドーレが決める。前半21分、黄川田選手のスルーパスに反応した播戸選手がDFラインの裏に抜け出し、GKと一対一。これをしっかり決めて先制。播戸選手二戦連発、今季5点目を決めた。前節のゴールと同じコンビネーション、新たなホットライン誕生か?。あっさり先制点が決まったが、試合はこの後、膠着状態へ。追加点が奪えないものの、山形も同点弾がきまらない展開。後半10分に山形の選手が二枚目のイエローで退場になってからは、守りを固めて省エネサッカーに。そして、このまま逃げ切った。チームの台所事情が苦しい中、大きな一勝をあげ、チームの連勝記録を10にのばした。
 今節、他会場の結果は、浦和が仙台に快勝し連敗を2でストップ。相変わらず首位。三位の大分は新潟に足をすくわれ6敗目。新潟は前節浦和に続き、上位陣をいじめてくれる。今季開幕ダッシュには完全に失敗したものの、昨年のカウンターに強い新潟が復活したのか?。4位大宮は今節休み。湘南は鳥栖に快勝し、じりじりと勝ち点を上げてきた。鳥栖は1ヶ月以上勝ち星がない。順位もじりじり下がってついにブービーとなってしまった。水戸は甲府に快勝、こちらもじりじりと勝ち点を上げてきている。
 さて、これらの結果を受けて、コンサドーレは二位で順位が変わらないものの勝ち点差なしで首位に並んでいる。三位大分との勝ち点が7に開いたことは大きい。ほっと一息つきたいところだが、そうもいかない。今季の組み合わせでは浦和と大分との対戦は常に連戦になる。すなわち、2連敗する可能性はいくらでも残っていて、勝ち点で6というのは、いつでも縮められるし、引き離される可能性をもっている。まだJ2は半分も終わっていないため、この連戦があと二回もある。
 シーズンも進んで、だんだん各チームの状態も明らかになり、コンサもターゲットになり始めた。次節は浦和が休みのため、首位にたてる可能性がある。いままでは“浦和と湘南のJ1組には負けられない”と各チームモチベーションを高めていたが、首位にたてば、今後はそうも行かないだろう。わざと負けてやることはないが、首位に立ってホッとして、中だるみになるのが一番怖い。一度気がゆるんで、その結果悪い流れに乗ると、いい流れに戻すのはかなり骨がおれる事態になる。
 次節水戸戦は、首位のかかった大事な試合。J2記録の11連勝タイもかかっている。