来季コーチ陣の陣容がほぼ固まる

 この日、ディド選手が来季GKコーチ就任の意思をクラブに伝えたことで、来季コンサドーレ札幌のコーチ陣の陣容が明らかになった。先に正式に就任発表が行われた岡田武史監督。そして就任が明らかになった石井肇ヘッドコーチ、ディド・ハーフナーGKコーチ。この三人に加え、クラブからの正式発表はまだだが、内定しているといわれているのが、フラビオ・フィジカルコーチと、四方田修平アシスタントコーチ。この五人が、来季新コンサドーレ札幌のコーチ陣の陣容となりそうである。(ポスト名は来季就任が予定されているポスト)。先の三人は良く知られているが、新メンバーとなる後の二人について、判っている範囲で紹介したい。

 ルイス・フラビオ・リベイロ・ボォンゲルミーノ:略してフラビオ(49)、ブラジル出身。91年に川崎のフィジカルコーチとして来日。日本代表には94年末、加茂周監督の要請で就任した。その後、岡田監督のもとで、日本代表をフランスに連れていく仕事を行った。W杯後、岡田監督らと一緒に代表スタッフを辞任、ブラジルに帰国した。フラビオ氏が、代表コーチを引き受けた時、まず最初に行なったのが、「ドーハの悲劇」と言われた94年の対イラン戦の分析だった。ブラジル最優秀フィジカルコーチを受賞しているフラビオ氏にとって、ロスタイムの失点というのは「悲劇」などという感情的な言葉で片づけられるものではなく、肉体的コンディションもその一因であり、科学的な分析によって防げるものであるという考えがあった。どんな環境下であっても選手達が全力で走れるチームを作ること、それが自分の仕事であると考えていたという。今年のコンサドーレの戦いぶりを見ていると、耳の痛い話だが、そのフラビオ氏が来年、札幌に来ることが内定している。

 四方田修平(よもだしゅうへい):前日本代表スカウティング担当の四方田氏は26歳。しかしながら、筑波大学大学院時代に全日本代表スタッフに。全日本でも、ビデオなどを使った相手チームの偵察、戦術解析などを担当。スカウティングというのは、事前に相手チームの情報を集め解析し、チームの役に立たせる仕事をすることを指す。今回のW杯予選、本戦のみならず、アトランタ五輪での対ブラジル戦などで、注目を浴びた仕事である。岡田監督の懐刀として、日本代表メンバーになり、スカウティングを担当した小野剛コーチは有名である。しかしながらフランスW杯予選、本大会を通じて、小野コーチのもとで、実際にスカウティングを担当したスタッフが2人いたことはあまり知られていない。その一人が四方田氏である。日本代表チームに帯同しながら日本代表メンバーに名前が載らず、まさに小野コーチの影武者として仕事に撤した人である。岡田監督自身、スカウティングの経験があることから、この仕事の重要さは良く知っている。その岡田監督が、アシスタントコーチとして四方田氏に就任要請をだしていると言われている。